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「朗吟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

朗吟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
号外」より 著者:国木田独歩
ないところは御免をこうむる。――」と彼の暗記しおる公報の一つ、常に朗読というより朗吟する一つを始めた、「敵艦見ゆとの警報に接し、連合艦隊は直ちに出動これを撃滅せ....
河明り」より 著者:岡本かの子
」 彼はすっかり韻文の調子で云って、それから、彼の旧作の詩らしいものを、昔風の朗吟の仕方で謡った。 星の海に 船は乗り出でつ 魂惚るる夜や ………… …………....
令狐生冥夢録」より 著者:田中貢太郎
報なしと知らば 多く黄金を積んで子孫に遺さん 詩が出来ると※は面白そうにそれを朗吟した。 その夜※は、自分の室で独り燭を明るくして坐っていた。もうかなり夜が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
によって微吟し、そぞろに鬱懐《うっかい》をやるの体《てい》。 興に乗じて微吟が朗吟に変ってゆく。 この人は、会心の詩を朗吟して、よく深夜人をおどろかす癖があ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ゃくれた言い方ではあるが、その咽喉は澄みきっているから、聞きようによっては、詩を朗吟するように聞きなされて、静かに耳を傾けていると、決して悪感《あっかん》は起ら....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
けに、白雲も面《かお》負けがせざるを得ません。 さすがの白雲をして、せっかくの朗吟を中止沈黙のやむなきに至らしめた無作法者の、清澄の茂坊であること申すまでもな....
阿英」より 著者:田中貢太郎
をいわないようにしてもらいたいなら、一曲お歌いなさいよ。」 女はそこで低い声で朗吟した。 間階桃花取次に開く 昨日|踏青小約未だ応に乖らざるべし 嘱付す東隣の....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
違っててよ、こちらでは。」 (彼女は耳を引っ張った。) 彼女はまた、ドイツの朗吟法の大袈裟《おおげさ》な高声に、不快を感じてる様子だった。 「どうしてあんな....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
彼女は彼がいつも会ってくれるのに乗じはしなかった。しかしあるとき彼女は自分が詩を朗吟することになってる社交的夜会に行きかけて、最後の間ぎわに厭《いや》になった。....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
遊び、暮には蒼梧。 袖裏の青蛇、胆気粗なり。 三たび岳陽に入れども、人|識らず。朗吟して、飛過す洞庭湖。 二人を乗せた青竹は、間もなく峨眉山へ舞い下りました。....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
う境地に韜晦して、白眼を以て世間を見下すという態度には出でなかった。南朝の詩でも朗吟すれば維新の志士のおもかげすらあった。それが『蒲団』を書いた花袋である。風流....
地上」より 著者:島田清次郎
た。高等学校の学生である宮岡は長いマントをかぶりながら、静かな夜更けを愛誦の歌を朗吟するのだった。 頬につたふ涙のごはず一握の砂を示しゝ女を忘れず 「石川啄木!....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
く熱心に)その魔法使いは、今どこにいるのでござるかの。 白髪の音楽家 (口調ある朗吟的の言葉にて)レモンの花の咲く南の国の人々が、夢よりも虹よりも果敢い歓楽にふ....
妖怪学」より 著者:井上円了
動を現ずるに至るなり。例えばここに十人ありて、その中の九人、同音同調にある一詩を朗吟するときは、その他の一人は知らず識らず微声を発して、これに誦和すると同一理な....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
うと思ったって、もう直りはしないですよ。」 「言文一致でも鴎外先生のものだけは、朗吟する事ができますね。」帚葉翁は眼鏡をはずし両眼を閉じて、伊沢蘭軒が伝の末節を....