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望蜀
「望蜀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
望蜀の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜別」より 著者:太宰治
あ、私はいまは恩師と旧友の面影をただていねいに書きとめて置けたら満足、それ以上の
望蜀の希求はあきらめて、この貧しい手記を書き続けて行くという事にしよう。さて、松....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と白雲はようやくそれに気がつきました。広く知る次には、深く見たいものだと白雲が、
望蜀《ぼうしょく》を感じたのはぜひもありません。 ともかくも、あちらの書物を読....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
んでした。 そんな調子で、話がそれからそれとはずんで行くうちに、白雲が、ついに
望蜀《ぼうしょく》の念を起してしまって、 「ああ、それそれ、もう一つ仙台家に――....
「学位について」より 著者:寺田寅彦
大家の最も優れた論文に対してさえも、第三流以下の学者の岡目から何かしら尤もらしい
望蜀的の不満を持ち出してそれを抗議の種にすることは比較的容易なことである。白梅の....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
なるほど私は人間として得べきだけの福禄は得たけれど、得れば得るほど尚得たいという
望蜀の念に攻められて安穏の日とては一日もない。そして私には敵がある。兇刃、鴆毒、....
「山道」より 著者:中里介山
、さてこれから連嶺を南に縦走し熊沢の森林を分けて天狗棚山に登り、そこで再び展望の
望蜀を晴らそうということに一決しました。 最初に塩山から馬で出て来た中折帽の男....