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望見
「望見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
望見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ちゅう》が、風雪の夜に山神廟《さんじんびょう》で、草秣場《まぐさば》の焼けるのを
望見する件《くだり》である。彼はその戯曲的な場景に、いつもの感興を催すことが出来....
「想片」より 著者:有島武郎
見える。彼はその宣言の中に人々間の精神交渉(それを彼はやさしいなつかしさをもって
望見している)を根柢的に打ち崩《くず》したものは実にブルジョア文化を醸成《じょう....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
達するであろう。しかしこの灼熱による光は多分弱いものであって我々の遊星系外からは
望見することのできない程度にすぎないであろう。しかしもしそのときに太陽がまだ光を....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
、病人がさぞかし待ち遠であろうと思うと、眼もくらむばかりに苦しくなる。病人の門を
望見したときに、博士は二人引きの腕車で後からきた。自分はともに走って兄の家に飛び....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
はヘクザ館の名物で、山岳地帯にそびえる古塔は、森林のなかに屹立して、十里四方から
望見されるという。 「おお、なるほど、これはよい見晴しですな」 塔のてっぺんに....
「火星探険」より 著者:海野十三
部はアリゾナの荒蕪地《こうぶち》にあった。そこからは遙かにコロラド大峡谷の異観が
望見された。 荒蕪地というのは、あれはてた土地のことで、ここは砂や小石や岩石の....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
まで進出せる時、突如そのヒイラギ山のかげより巨大な皿の如きものが空中に舞上れるを
望見したり……” 「うむ、それが第四斥候隊の乗った火星人の乗物だったのだ」 艇....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
たが、しかし罐の火はいよいよ明るく燃えさかっているらしいことが、棺の蓋の隙間から
望見された。罐は盛んに燃えている。それだのに、棺の中にいるわが身は急に楽になった....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
んでしょう。ところが、そうこうともだえているうちに、計らずも今朝、黄金郷の輝きを
望見したのでございます。 それは、白夜がはじまろうとする白っぽい光の中で、島の....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
うか。 それは、忘れもしない六月二日の朝、濃霧の霽れ間に、日本国駆逐艦の艦影を
望見したので、ともかく、衝角だけは免れようと、急速な潜水をはじめたのです。 と....
「一老人」より 著者:犬田卯
ろう、小ざっぱりした着物をひっかけて、老爺が沼へ釣りに行くところなどを、時々私も
望見した。 二 村に百姓をして一生を過ごすものの夢想することも出来な....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
ものとてもなかったが、ゆく手には石がごじゃごじゃに乱れ散ったようになっているのが
望見される。そのあたりが上海だということであった。 船では華中鉄道の副総裁であ....
「西航日録」より 著者:井上円了
するなり。その状、やや東洋的の風あり。余、獅子が岡(Lion hill)に登りて
望見するに、四面広漠たる一大原野にして、麦田のほかに、村落の遠近に碁布せるを見る....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ソ昇天日なれども、日本船なれば、船中にて礼拝式を行わず。早朝よりフィリピン群島を
望見して進航す。 晴波涼月汽声閑、船向何処影、摩尼拉海呂宋山。 (はれやかな波と....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
として二条派和歌の調子であることを不満とするのである。人は遠く現代から吉野時代を
望見して、大観的に吉野方を悲惨と規定する故に、吉野朝廷の歌に異常な生活の変質と生....