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朝な夕な
「朝な夕な〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
朝な夕なの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「薤露行」より 著者:夏目漱石
むかしも今も。」 うつくしき恋、 うつす鏡に、 色やうつろう、
朝な夕なに。」 鏡の中なる遠柳《とおやなぎ》の枝が風に靡《なび》いて動く間《あ....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
談を置き土産に都に帰られた。逗子の秋は寂しくなる。話の印象はいつまでも消えない。
朝な夕な波は哀音を送って、蕭瑟たる秋光の浜に立てば影なき人の姿がつい眼前に現われ....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
青簾にも同じ好愛を恣にするのである。 君よ、青簾の中なる美しき人の姿を見んとて
朝な夕なの漫歩きに、その門をさまよいたもうな。そは君が想像の自由にまかせて、簾の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
家はいくらもあるが、自分の家より系図の正しい加藤というものはない。 そうして、
朝な夕な名古屋の名城を見るごとに、この城こそ我が家の先祖肥後守清正が、一代の心血....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
水が漫々と張り切って鏡のようになっていると、そこへ富士の山が面《かお》を出しては
朝な夕なの水鏡をするのでありました。富士の山の水鏡のためには恰好《かっこう》であ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
になりました。こういう山国とちがいまして、あちらは海の国でございます、大洋の波が
朝な夕なに岸を打っては吼《ほ》えているのでございます……小湊へおいでになった方も....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
達かんとす。その窓に時々姿を見せて、われに笑顔向けたまうは、うつくしき姉上なり。
朝な夕な、琴弾きたまうが、われ物心覚えてより一日も断ゆることなかりしに、わが母み....
「呉秀三先生」より 著者:斎藤茂吉
郎氏も通信している。正岡先生はこの絵ハガキを『仰臥漫録』と簽した帳面に張りつけて
朝な夕なにながめておられたのであった。私は計らずも故正岡先生と呉先生との精神上芸....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
の、「朝に」は時間をあらわすので、「朝に日に出で見る毎に」(巻八・一五〇七)、「
朝な夕なに潜くちふ」(巻十一・二七九八)等の「に」と同じい。「物念へかも」は疑問....
「霊感」より 著者:豊島与志雄
のまま取って、身禄さまではなく、身禄さんと、親しい気持ちをこめたものです。そして
朝な夕な、誰がするともなく、白紙に塩や白米を盛ったのが、身禄さんの前に供えられて....
「もう軍備はいらない」より 著者:坂口安吾
ずがないじゃないか。しかるにそこの貧乏オヤジは泥棒きたるべしとダンビラを買いこみ
朝な夕なネタバをあわせ、そのために十八人の子供のオマンマは益※半減し、豊富なのは....
「食べもの」より 著者:佐藤垢石
が、この上新田の農村に私を生んでくれただけに、先祖の顔もあり、村人の温情もあり、
朝な夕な、やれほうれん草はどうか、葱だ、にんじんだ、牛蒡だ、といった風に、人々が....
「春宵因縁談」より 著者:佐藤垢石
私が二幽人の微苦笑の面を想像したには意味があるのである。頼母木は書生であったから
朝な夕な、葦城邸の掃き拭きから水汲み、使い走り身の労苦を惜しまなかった。両の手の....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
「兼好の御坊も先刻いうていたが、その時こそわたしも正真の横笛じゃ。時頼殿の庵室へ
朝な夕なに押し掛けて、いつまでも悟道の邪魔をして見しょうぞ。」 「それは迷惑。で....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
いたのだ、「友よ、早く浦上に帰れ」と。 この二年間、私はひとり浦上の廃虚に寝て
朝な夕な友のめい福を祈っていた。これからはたくさんの学生や教授が亡き友の骨を拾っ....