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朝の間
「朝の間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
朝の間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
ん》のような財布を首から吊《つ》るして、売り上げを入れたり、釣銭を出したりした。
朝の間、蝶子は廓の中へはいって行き軒《のき》ごとに西瓜を売ってまわった。「うまい....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
めでたいし、松の内はお昼勤めとお許しの出ているその出仕には時刻がまだ少し早いし、
朝の間のそのひとときを、ふくふくとこたつに寝そべりながら、むっつり右門のお正月は....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
猟夫がこの爺さんである事は言うまでもなかろうと思う。さて猟夫が、雪の降頻る中を、
朝の間に森へ行くと、幹と根と一面の白い上に、既に縦横に靴で踏込んだあとがあった。....
「死者の書」より 著者:折口信夫
た形になったので、後から後から地割りが出来て、相応な都城の姿は備えて行った。其数
朝の間に、旧族の屋敷は、段々、家構えが整うて来た。 葛城に、元のままの家を持って....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
た。そういわれても怒らずに、おかみさんは、糊《のり》を煮ていた。お天気のよい日、
朝の間《ま》に、御不浄《ごふじょう》の窓から覗くと、襟の後に手拭を畳んであてては....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
葉そのままをお取次ぎすることに致します。 『わたくし達が海辺に降り立ったのはまだ
朝の間のことでございました。風は少し吹いて居りましたが、空には一|点の雲もなく、....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
んちゅう》の火鉢の見本が並《なら》べてあるのが、陽《ひ》の光がどこからさすのか、
朝の間のある時、通りがかりに覗《のぞ》きこむと、黄色くキラキラ光っていて、黄昏《....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
日が暮れる少し前です。すぐ近くじゃありません。」
「では私は君の道具部屋に、夜と
朝の間隠れていよう。それから食物は? 腹がすくだろう。」
「私が何か持っていって....
「七重文化の都市」より 著者:野上豊一郎
間続いたことになる。その後、紀元前六世紀の中葉即ち第二十七王朝から最後の第三十王
朝の間へかけてペルシアの侵略があり、更に紀元前四世紀の前半にはアレクサンドロス大....
「雪の宿り」より 著者:神西清
火の海となっておりました。 ようようにその夜も無事にすぎて、翌る二十七日には、
朝の間のどうやら鬨の声も小止みになったらしい隙を見計らい、東の御方は鶴姫さまと御....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
がたくさんあって、季節にはその塀のところで桃の実が熟するのだった★。 夏の光は
朝の間だけその一劃にぎらぎらと射し込んだ。が、街々が暑くなる頃には、その一劃は日....
「一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
と、差覗《さしのぞ》いているといった光景であった。わたしは思いがけぬ「カフェーの
朝の間《ま》」というところを見て、劇場の舞台の準備を眺めているような気持ちで佇《....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
十ぐらいの柔和なお婆さんが煙草盆を出してくれて、すぐに煎茶を振舞い、しかも、嫁が
朝の間拵えたと、小豆餡の草団子を馳走した。その風味のよさ、嫁ごというのも、容色も....
「ものぐさなきつね」より 著者:小川未明
しまいます。そうして、つい鶏の愛想のいいのに引き込まれて、いっしょに日の上らない
朝の間を楽しく送るのでありました。 そのうちに太陽が東の空を上ると、もはや鶏に....
「はつ恋」より 著者:神西清
もくれず、また本を上へあげると、向うへ行ってしまった。 その晩いっぱいとあくる
朝の間じゅう、わたしはなんだか鬱々と沈み込んだ気持で過した。忘れもしない、わたし....