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朝ぼらけ
「朝ぼらけ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
朝ぼらけの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画時代」より 著者:寺田寅彦
死にぐるい見よ の次に去来《きょらい》の傑作 青天に有明月《ありあけづき》の
朝ぼらけ が来る。ここに来ると自分はどういうものかきっと、ドストエフスキーの「....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
るものではない。これにはある始めがあった。そしてまたある終りがあるであろう。時の
朝ぼらけには 砂もなく海もなく 冷たき波もなく またその上を覆う天もなかりき。 ....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
てくれ!」 妙に、鼻息が荒くなって来た。 五 北太平洋の
朝ぼらけは、晴れとも曇りとも判らぬ空の下に、鉛色の海を果てしもなく霞ませて、ほの....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
と比べてどこに本質的の差違があるか。「思い切ったる死に狂い見よ」「青天に有明月の
朝ぼらけ」と付けたモンタージュと、放免状を突きつけられた囚人の画像の次に「春の雪....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
衣を着け、袴を穿くと、しらしらと早や旭の影が、霧を破って色を映す。 さて住吉の
朝ぼらけ、白妙の松の樹の間を、静々と詣で進む、路の裳を、皐月御殿、市の式殿にはじ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
って、金と銀と青を溶かした陽線が室内の大鏡に反映する。そうすると平凡な国の平凡な
朝ぼらけと同じに鶏と赤ん坊が泣いて、巷の騒音が油然と唸り出すのだ。広場へでると煙....
「四谷怪談」より 著者:田中貢太郎
行灯の傍を這うた。伊右衛門はまたそれを火箸に挟んで裏の藪へ持って往って捨てたが、
朝ぼらけになって皆が帰りかけたところで、天井からまた赤い蛇が落ちて来た。伊右衛門....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
も見せられます身体ではないんです。」 袖を僅に濡れたる顔、夢見るように恍惚と、
朝ぼらけなる酔芙蓉、色をさました涙の雨も、露に宿ってあわれである。 「人の来ない....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
申して、多勢のものが難渋をするでもなし、で、聞いたままのお茶話。秋にでもなって、
朝ぼらけの山の端に、ふと朝顔でも見えましたら、さてこそさてこそ高峰の花と、合点す....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
手向かな 軒端もや扇たるきと御影堂 角二つあるのをいかに蝸牛 元日や何にたとへむ
朝ぼらけ というもあった。これらを読んで面白そうなものだと思ったが、それが三十....
「地上」より 著者:島田清次郎
て、自分がこの世界で生活することが出来るのだという喜悦に充たされた。 若き生命の
朝ぼらけ…… テニスコートの方で西洋の少女と学生の合唱が聞えて来た。彼はかくて....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
るが、それよりもいっそう不気味な時刻は、むしろこの、夜から昼に変ろうとする江戸の
朝ぼらけ――大江戸という甍《いらか》の海が新しい一日の生活にその十二時の喜怒哀楽....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
もの。お住持はなくて、ひとりものの親仁が堂守をしていましたそうです。降りつづいた
朝ぼらけでしょう。雀わなじゃアありません。いろ鳥のいろいろに、稗粟を一つかみ、縁....
「西航日録」より 著者:井上円了
ところにあらず。河口氏、和歌をもってその一斑を模して曰く、 喜麻拉亜の虎が岡なる
朝ぼらけひかる雲間に雪山を見る 余、幼学詩韻的詩をもってこれに和す。 鶏声残月....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ぞかべに消えゆく 秋霧の雁 村雲によこぎる雁の数見えて朝日にきゆる峯の秋霧
朝ぼらけ霧のはれ間のたえだえにいくつら過ぎぬ天つ雁がね 霧うすき....