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朝帰り
「朝帰り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
朝帰りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
るのを、びっくりしたような眼でながめていたのだ。 「ピンボケ……? あはは……。
朝帰りの女の電話を待つのは、ピンボケかポン引ぐらいなもんだ。おれ趣味じゃねえよ」....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
下に降りると、顔も洗わぬうちに、「朝食出来ます、四品付十八銭」の立看板を出した。
朝帰りの客を当て込んで味噌汁、煮豆、漬物《つけもの》、ご飯と都合四品で十八銭、細....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
までもない。松蔵の運命はもう決まった。 草履の主は伊勢屋のお駒であった。かれは
朝帰りの客を送り出して、自分の部屋を片付けていると、表に捕物があるという騒ぎに、....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
っているじゃねえか。 釣ってるのは鯉だけれど、どこのか田畝の鰌だろう。官員で、
朝帰りで、洋服で、釣ってりゃ馬鹿だ、と天窓から呑んでかかって、中でも鮒らしい奴の....
「わが町」より 著者:織田作之助
下に降りると、顔も洗わぬうちに、「朝食出来ます、四品附十八銭」の立看板を出した。
朝帰りの客を当て込んで味噌汁、煮豆、漬物、御飯と都合四品で十八銭、細かい儲けだと....
「天馬」より 著者:金史良
は迷い込んでしまったのだ。そう早くもない時刻だが、どの小路もひっそりとして、時々
朝帰りの客が、きまり悪そうに肩をすぼめてふらふらと通り過ぎる。どことも知らず迷い....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
。―― さて何と思ったろう……その晩だったか、あと二三日おいてだったか、東雲の
朝帰りに、思わず聞いた、「こんな身体で、墓詣りをしてもいいだろうか。」遊女が、「....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
りますから又|直に外へ入らっしゃるのは私がお邪魔になって…それでお腹立なれば、明
朝帰りますから御勘弁遊ばして、何卒御寝なって」 圖「決して左様云う訳ではない、余....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
、夜の引き明けに飛び出して、野面の景色を見ていたってわけさ。……見ればお前さんも
朝帰りらしいが、上尾へでも行ったのかえ」 「うむ」と猪之松は苦い顔をし、当惑らし....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
った。馬道へ出ると一流の料理屋富士屋があり、もっと先へ出ると田町となって、此所は
朝帰りの客を招ぶ蛤鍋の店が並んでいる。馬道から芝居町へ抜けるところへ、藪の麦とろ....
「おせん」より 著者:邦枝完二
「へえってもいいかい」 「帰るんなら帰ンねえ」 「いやにおどかすの」 「振られた
朝帰りなんぞに寄られちゃ、かなわねえ」 「ふふふ。振られてなんざ来ねえよ。それが....
「歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
かに凌駕する羽振りを見せていた。 きょうもきょうとて、歌麿は起きると間もなく、
朝帰りの威勢のいい一九にはいり込まれたのを口開に京伝、菊塢、それに版元の和泉屋市....
「鮪を食う話」より 著者:北大路魯山人
よろこばぬが、血気壮んな者には美味いものである。 聞くところによると、いわゆる
朝帰りに、昔なら土堤八丁とか、浅草田圃などというところで朝餉に熱燗でねぎまとくる....
「女靴下の話」より 著者:西東三鬼
思議な出来事に一度や二度はあうものであろうか。恥を語らねば筋が通らない。話は私の
朝帰りから始まる。 およそ
朝帰りなるもの、こんないやな気持のものはない。良心の....
「予謀殺人」より 著者:妹尾アキ夫
した。 「長くご滞在ですか、ペンベリーさん?」女支配人はきいた。 「いえ、あすの
朝帰りますが、またすぐやってきます。話は別だが、このホテルに百科辞典があったはず....