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「朝戸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

朝戸の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
って私が暮されると思いますかえ、お前さんは柳橋の相場を御存じがありませんからサ、朝戸を開ければ会の手拭の五六本も投げ込《こま》れて交際《つきあい》の張る事は知ら....
赤い貨車」より 著者:宮本百合子
ー!」 畜生《チヨルト》! ナースチャはむっとして露台から引きこむ。しかし、翌朝戸をあけ、露台へ出る時、ナースチャは挨拶を用意しているのだ。 ナースチャは、....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
明けねえ」 みね「いやだよ、何だか怖いもの」 伴「そんな事を云ったって、手前が毎朝戸を明けるじゃアねえか、ちょっと明けねえな」 みね「戸の間から手を入れてグッと....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
やし君に恋ふるもわが心から」(巻十三・三二七一)、「我妹子に恋ひ術なかり胸を熱み朝戸あくれば見ゆる霧かも」(巻十二・三〇三四)というのがあるから、参考として味う....
小さな出来事」より 著者:寺田寅彦
その上に自然に生える烏瓜も搦んで、ほとんど隙間のないくらいに色々の葉が密生する。朝戸をあけると赤、紺、水色、柿色さまざまの朝顔が咲き揃っているのはかなり美しい。....
」より 著者:森鴎外
てから、やっと三月ばかりも立った頃であっただろう。飴細工屋の爺いさんの家に、或る朝戸が締まっていて、戸に「貸屋差配松永町西のはずれにあり」と書いて張ってあった。....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
馬丁が馬を引いて来るのを佇んで待っていられた軍服姿が思出されます。 駒ひくをまつ朝戸出の手すさびに 折りてぞ見つる梅の初花 明治四十年頃の歌です。その....
好色破邪顕正」より 著者:小酒井不木
て居りましたが、四五日前の夜古泉堂という古本屋がたずねて来たと申しました。昨日の朝戸針さんの御買いになった書物についてたずねに行ったとき、どうも少し様子が変だっ....
古事記」より 著者:太安万侶
宇岐歌《うきうた》です。ここにヲド姫の獻りました歌は、 天下を知ろしめす天皇の朝戸にはお倚《よ》り立ち遊ばされ 夕戸《ゆうど》にはお倚り立ち遊ばされる 脇息《....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
から一年たちました。しかし一年たったとは思われぬ、なまなましい記憶でございます。朝戸をあくれば眼に入る灰の丘に夢ではなかったと嘆き、夕風とともに死骸のわからぬう....