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「朝明け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

朝明けの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
もや》や、裸の足の上に朝露をはね上げて、生々としている雑草の肌触り、作物や樹木の朝明けの薫りなどに、どのくらい慰められたことであろう! 非常に愉快な心持になっ....
不動像の行方」より 著者:田中貢太郎
どうどうと云う譬えば遠い海鳴か、山のむこうの風の音とでも云いそうな音が、その日の朝明け比から始まってその日は終日聞え、夜になってもまだ聞えていたが、何時の間にか....
風立ちぬ」より 著者:堀辰雄
まだ二つ三つ幽《かす》かに光っているのを見つめていた。が、そのうちに私はそういう朝明けが何んとも云えずに寂しいような気がして来て、そっと起き上ると、何をしようと....
犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
で吹雪が唸っても、たちまちもうあの波止場であったことから、山々に霧のかかっていた朝明けのことから、フェオドシヤから来た汽船のことから、接吻のことから、一切が残ら....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
た。 あまりの事に私は一種の恐怖さえ感じた。私は夜通しうなされるように過し、翌朝明けると起きて屋敷川で顔を洗った。 少年はと見ればケロリとして何事も無かった....
決闘」より 著者:神西清
行ってくれるかして貰いたかった。日の出を見るのは生まれて今がはじめてである。この朝明けも緑いろの光の条も湿っぽい空気も濡れた長靴を穿いた人々も、自分の生活にとっ....
曲馬団の「トッテンカン」」より 著者:下村千秋
のさまざまのことが、とぎれとぎれに浮かんでは消え、消えては浮かびました。 その朝明けのことです。新吉はまずライオンのほえ声をききつけました。それからいろんな動....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
、長々と祈った。すでに夜は更けていた。彼女は眠り続けた。ついに――三月二十四日の朝明けは、まだ冷たくほの暗いころ――容態が変わり、不安の廷臣たちは、病床の上に身....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、腰に挟んで出迎えに出ました。利休の様子には少しも周章えた様子は見えません。ただ朝明けの雪を楽しみつつ客を迎える温恭な気持ちでありました。その気配が秀吉の心に浸....