朝晩[語句情報] » 朝晩

「朝晩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

朝晩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
手紙」より 著者:芥川竜之介
い初秋の風景にいつにない静かさを感じました。……… ではさようなら。東京ももう朝晩は大分《だいぶ》凌《しの》ぎよくなっているでしょう。どうかお子さんたちにもよ....
」より 著者:岡本かの子
むから、もっと、喰べるものを喰べて、肥ってお呉れ、そうして呉れないと、あたしは、朝晩、いたたまれない気がするから」 子供は自分の畸形な性質から、いずれは犯すで....
婦系図」より 著者:泉鏡花
をして、貴女の七夜の御祝いに酔ったのがお残懐で、お暇を頂いて、お邸を出たんです。朝晩お顔を見ていちゃ、またどんな不了簡が起るまいものでもない、という遠慮と、それ....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ねくれた根性にさえなり兼ねた北人の心に、春の約束がほのぼのと恵み深く響き始める。朝晩の凍み方はたいして冬と変わりはない。ぬれた金物がべたべたと糊のように指先に粘....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
ている。 そしてその上になお、毎日酒保から食事をとりたいもののために、一週間の朝晩の献立表が出ている。ちょっとうまそうな御馳走が一品ずつならべられて、それでも....
ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
と思ってかなり心配した私も、すっかり落ちついたYを見て少なからず驚きました。彼は朝晩代りばんこにみんなでやることになっている炊事を、毎朝自分で引き受けました。そ....
湯島の境内」より 著者:泉鏡花
親に、お気に入らないかも知れないけれど、私ゃ、私ばかりは嫁の気で、届かぬながら、朝晩おもりをしていますわ。 早瀬 樹から落ちた俺の身体だ。……優しい嫁の孝行で、....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
ござらして、力を落す方がござりますので、こうやって近間に店を出しておりますから、朝晩|汐時を見ては拾っておきまして、お客様には、お土産かたがた、毎度|婆々が御愛....
黒百合」より 著者:泉鏡花
持込んで、我ながら意気地はない。口へ出すのも見ともないや。お前さんに優しくされて朝晩にゃ顔を見て、一所に居るのが嬉しくッて、恥も義理も忘れたそうだ。そっちじゃあ....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
から来ていて、九月の末の事だったよ。 五日ばかり降続いて、めっきり寂しくなる。朝晩は、単衣に羽織を被て、ちとまだぞくぞくして、悪い陽気だとばかり、言合って閉籠....
獄中消息」より 著者:大杉栄
来た。例の通り終日慄えて、歯をガタガタ言わせながら、それでもまだ風一つひかない。朝晩の冷水摩擦と、暇さえあればの屈伸法とで奮闘している。屈伸法のお蔭か腹が大ぶ出....
化鳥」より 著者:泉鏡花
へ出て行く往帰りには、是非|母様の橋を通らなければならないので、百人と二百人ずつ朝晩|賑かな人通りがある。 それからまた向うから渡って来て、この橋を越して場末....
山吹」より 著者:泉鏡花
意を示し、衣紋を正す)私がお前と、その溝川へ流れ込んで、十年も百年も、お前のその朝晩の望みを叶えて上げましょう。 人形使 ややや。(声に出さず、顔色のみ。) 夫....
押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
にいつもつきまとつて動いていた。 家では佐太郎の陰膳を据えることを、初世は毎日朝晩欠かしたことがなかつた。 五 明後日から田植にかかるつもりの....
寺町」より 著者:岩本素白
勝った一団の緑となるまで、日々微妙な変化を示しながら、色の深さを増して行くのは、朝晩眺め尽しても飽きない景色である。 五月の日に光るかなめの、古風な潜りのある....