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朝熊
「朝熊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
朝熊の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「田舎教師」より 著者:田山花袋
る銭を網で受ける話や、あいの山で昔女がへらで銭を受けとめた話などをして聞かせた。
朝熊山の眺望、ことに全渓みな梅で白いという月ヶ瀬の話などが清三のあくがれやすい心....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
はどこへ行くのでしょうね」 お玉は黙って、烏の過ぎ行く方をながめていたが、 「
朝熊山《あさまやま》の方に巣があるのでしょうよ」 「鳥は古巣へ帰れども……お玉さ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、そうして海を眺める―― 海の彼方《かなた》は伊勢の国、波の末にかすかにかかる
朝熊《あさま》ヶ岳《だけ》。 十 東海道を上るほどの人で、「伊勢の国」に有終の....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
と松煙であると云う事――それは、鑑識課に依って明らかにされたのであった。所が、翌
朝熊城は力のない顔をして法水を訪れた。 「いま朔郎を放免した所なんだよ。彼奴に不....
「善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
荒い格子に瓦家根、右の方は板流し! 程よい所に石の井戸、そうかと思うと格子の側に
朝熊万金丹取次所と金看板がかかっている。所は茅場町植木店、真の江戸子が住んでいる....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
ケリンドウなどは著名な種類である。右のアサマリンドウは、伊勢《いせ》〔三重県〕の
朝熊山《あさまやま》にあるから名づけたものだが、また土佐《とさ》〔高知県〕の横倉....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
氏は、生活苦のはて、一家心中をこころにきめた日、たまたま、その日の夕刊に、武蔵が
朝熊山をのぼる一章を読み、死をおもいとどまったのでしたと、後に朝日のT学芸部長を....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
くと、窓から真っ直に、外宮内宮の神林が展けている。その上に前山、すこし東に方って
朝熊山が見え、それを繋ぐ山と山との肩の間から、群山を睥睨するように、突兀として、....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
がら、ブウブウ風圧をかけている。しばらく動かず。外套の襟に首をすくめながら夜空の
朝熊山を見て佇む。十余年前、武蔵を書いていたころ、登ったことのある山だ。平家との....