朝茶[語句情報] » 朝茶

「朝茶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

朝茶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
いる。 {1}『船頭部屋』に「ここも都の辰巳《たつみ》とて、喜撰《きせん》は朝茶の梅干に、栄代団子《えいたいだんご》の角《かど》とれて、酸いも甘いもかみわけ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
た。 半蔵が家の方へ戻って行って見ると、吉左衛門はゆっくりしたもので、炉ばたで朝茶をやっていた。その時、半蔵はきいて見た。 「お父さん、けさ着いたのはみんな尾....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ものだぞ。」 吉左衛門は隠居の身ながら、忰半蔵の留守を心配して、いつものように朝茶をすますとすぐ馬籠本陣の裏二階を降りた。彼の習慣として、ちょっとそこいらを見....
」より 著者:島崎藤村
」 お仙は未だ眼を覚さなかった。思わずお種は娘の枕許で泣いた。 三吉と一緒に朝茶を飲む頃のお種は、前の晩とは別の人のようであった。 「折角来てくれたのに」と....
足迹」より 著者:徳田秋声
。 そこらが一ト片着き片着いてしまうと、衆は火鉢の傍へ寄って、母親が汲んで出す朝茶に咽喉を潤した。鶴二も正雄も、もう朝飯の支度の出来た餉台の側に新聞を拡げて、....
」より 著者:徳田秋声
、笹村は全く無感覚であった。 翌日笹村が起きたとき、父親は母親と一緒に茶の間で朝茶を飲んでいた。こうして一緒に茶を飲むなどということの、近来めったになかった母....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
顔を入谷に見て不忍の蓮をも賞し、忍川、あげだしさては鳥又、笹の雪と思い思いの家に朝茶の子すまし、早ければ道灌山を飛鳥山に出て、到る処に緑蔭の清風を貪り、さていい....
十二支考」より 著者:南方熊楠
話は敦賀港の町|外《はず》れで、荷《にな》い茶屋を営業する小橋の利助といえる者、朝茶を売りて大問屋となり、出精するうち悪心起り、越中、越後に若い者を派遣し、人々....
風流仏」より 著者:幸田露伴
い事|仕た覚はないが、是が罪になって地獄の鉄札にでも書れはせぬかと、今朝も仏様に朝茶|上る時|懺悔しましたから、爺が勧めて爺が廃せというは黐竿握らせて殺生を禁ず....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ひょいと掴んで、血の道の薬に持って行く。それも、もう他事ではない、既に今朝の雪の朝茶の子に、肝まで抜かれて、ぐったりとしているんだ。聞けば聞得で、なお有難い。そ....
一九二九年一月――二月」より 著者:宮本百合子
テールまでを人まかせにしてしまった安らかな快感は味えない。ニャーニカ達は、私が毎朝茶に牛乳を入れてのむという習慣を決して記憶しない。彼女等の頭は恒に新しい。 ―....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
で言ったのか冗談《じょうだん》で言ったのか知らないが、高笑いをして、こんなことは朝茶の前の問題といったような体《てい》たらくであります。 「そんなことが……」 ....
星女郎」より 著者:泉鏡花
るで、垂々と汗を流す。濡色が蒼黄色に夕日に光る。 怪しさも、凄さもこれほどなら朝茶の子、こいつ見物と、裾を捲って、蹲み込んで、 (負けるな、ウシ、) などと....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
に就て仕上げをしていたのであるが、しかも父の強い個性は徒らな風流を欲しなかった。朝茶の炉手前は何かしら苦業を修する発端で、その日も終日不可解の茶の渋味を呪法に則....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
で、腰が浮くと、矢の流れで危いくらい。が、きっぱりと目の覚めた処で、お手ずから、朝茶を下さる。 (姉さんは、娘はんですか、此楼の……) いやな野郎で、聞覚えの....