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朝霜
「朝霜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
朝霜の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
田面《たおも》に水あふれ、林影|倒《さかしま》に映れり」
十二月二日――「今
朝霜、雪のごとく朝日にきらめきてみごとなり。しばらくして薄雲かかり日光寒し」
同....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の五ツ(午前八時)を過ぎた頃であった。足軽と中間《ちゅうげん》が長梯子をかけて、
朝霜のまだ薄白く消え残っている大屋根にのぼって見ると、それはたしかに幼い女の児で....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
られたように、里心が着いた。 一昨日松本で城を見て、天守に上って、その五層めの
朝霜の高層に立って、ぞっとしたような、雲に連なる、山々のひしと再び窓に来て、身に....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
稲も苅らねばならぬ。でも、夏の戦闘に比べては、何を云っても最早しめたものである。
朝霜、夜嵐、昼は長閑な小春日がつゞく。「小春日や田舎に廻る肴売」。「※?」「秋刀....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
い点が二つばかり、霧を曳いて動いた。船である。 睡眠は覚めたろう。翼を鳴らせ、
朝霜に、光あれ、力あれ、寿かれ、鷭よ。 雪次郎は、しかし、青い顔して、露台に湖....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
立つ。枝に渡して、ほした大根のかけ紐に青貝ほどの小朝顔が縋って咲いて、つるの下に
朝霜の焚火の残ったような鶏頭が幽に燃えている。その陽だまりは、山霊に心あって、一....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
発見した。引き揚げて見ると、その髪の持ち主は小柳であったので、凍った死体は河岸の
朝霜に晒されて検視を受けた。女の軽業師はとうとう命の綱を踏み外してしまった。それ....
「雁」より 著者:森鴎外
なって、お玉の家の流しの前に、下駄で踏む処だけ板が土に填めてある、その板の上には
朝霜が真っ白に置く。深い井戸の長い弔瓶縄が冷たいから、梅に気の毒だと云って、お玉....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
えないように枝や葉を繁らせていた。 別れて十間ばかり行き過ぎて振り返ると、僧は
朝霜の乾かない土の上にひざまずいて、谷にむかって合掌しているらしかった。怪しい笑....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
も之に加わって、一隊十四五名の人数が草鞋穿きの扮装甲斐甲斐しく、まだ乾きもあえぬ
朝霜を履んで虎ヶ窟を探りに出た。人々は用心の為に、思い思いの武器を携えていた。 ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
っとひとりでに枕元の有明|行燈が消える。部屋の中に、夜明けの光がほの白く映った。
朝霜の白い蓮台寺野に立った時のことがまた思い出される――
あの時の、武蔵のまな....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
の家士がそれぞれの腹拵えや身仕度をすますあいだ、独りあぐらをくんでゆったりと庭の
朝霜に対していた。 もちろん心はもう戦場へとんでいよう。自分が駈けつけてゆくま....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
うか、そうでしたか!」 爺の左近は、そばでふとおもてを庭面へそらした。時ならぬ
朝霜はもうあとかたもない。けれど爺は洟をすすっていた。 「お、お見えなされた」 ....