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朝飯
「朝飯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
朝飯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
うしゃばん》の刷物《すりもの》に書いてある。
当日になると自分は、碌《ろく》に
朝飯《あさめし》も食わずに家をとび出した。電車でゆけば停車場まで二十分とはかから....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
。しかし僕は習慣上朝らしい気もちを持ったまま、人気のない台所へ顔を洗いに行った。
朝飯《あさめし》兼|昼飯《ひるめし》をすませた後、僕は書斎の置《お》き炬燵《ごた....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
の花が、煽《あお》ったように空へ舞い上った。
洞穴の中には例の老婆が、余念なく
朝飯の仕度をしていた。大気都姫《おおけつひめ》はどこへ行ったか、全く姿を見せなか....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
臭い顋《あご》をしゃくって、「大凶結構。男が一度惚れたからにゃ、身を果すくらいは
朝飯前です。火難、剣難、水難があってこそ、惚れ栄えもあると御思いなさい。」と、嵩....
「或る女」より 著者:有島武郎
思わされた。
「いいお日和《ひより》ね。今夜あたりは忙しんでしょう」
と葉子は
朝飯の膳《ぜん》に向かいながら女中にいってみた。
「はい今夜は御宴会が二つばかり....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
の一人は乳を求めて泣き出した。それにおこされると私の眼はもう朝まで閉じなかった。
朝飯を食うと私は赤い眼をしながら、堅い心《しん》のようなものの出来た頭を抱えて仕....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
とお源は柄杓で、がたりと手桶の底を汲む。 「田舎ものめ、河野の邸へ鞍替しろ、
朝飯に牛はあっても、鯛の目を食った犬は昔から江戸にゃ無えんだ。」 「はい、はい、....
「親子」より 著者:有島武郎
しまった。 「なあに、疲れてなんかおりません。こんなことは毎度でございますから」
朝飯をすますとこう言って、その人はすぐ身じたくにかかった。そして監督の案内で農場....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
三の烏 なぞとな、お二めが、体の可い事を吐す癖に、朝烏の、朝桜、朝露の、朝風で、
朝飯を急ぐ和郎だ。何だ、仇花なりとも、美しく咲かしておけば可い事だ。からからから....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
ような、じとじと降の雨だったのが、花の開くように霽った、彼岸前の日曜の朝、宗吉は
朝飯前……というが、やがて、十時。……ここは、ひもじい経験のない読者にも御推読を....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
け給う……と記してある。 「福徳って、お金ばかりじゃありませんわ。」 欣七郎は
朝飯前の道がものういと言うのに、ちょいと軽い小競合があったあとで、参詣の間を一人....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
ない。……その日その日の米|薪さえ覚束ない生活の悪処に臨んで、――実はこの日も、
朝飯を済ましたばかりなのであった。 全焼のあとで、父は煩って世を去った。――残....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
出来ようかと、寝られない夢に悩んだ。風は、いよいよ強い、しかし雨は小降になって、
朝飯の時、もう人足が来て待っていると、宿で言うので。 杖と並んで、草鞋を穿く時....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
めたが、またお夏が例になく起きて来ぬ。台所もすっかり片づいて、綺麗に掃除が出来、
朝飯が済んで、しばらくして茶を入れて、毎日飲む頃になったが、まだ下りぬ。 沸り....
「活人形」より 著者:泉鏡花
々や巨蛇なら、片腕で退治て見せらあ。「我だって天狗の片翼を斬って落すくらいなら、
朝飯前だ。「ここにも狼の百疋は立処に裂いて棄てる強者が控えておると、口から出任せ....