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「朝餐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

朝餐の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
冬の日」より 著者:梶井基次郎
うか。そして今朝の思いつきもなんのことはない、ロシアの貴族のように(午後二時頃の朝餐《ちょうさん》)が生活の習慣になっていたということのいい証拠ではないか。――....
河明り」より 著者:岡本かの子
、徐々に地霧の中から光り出して来た。 一本のマングローブの下で、果ものを主食の朝餐が進行した。レモンの汁をかけたパパイヤの果肉は、乳の香がやや酸※かさと匂いが....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
の家つづきの見えるところへ出た。 浅間の山麓にあるこの町々は眠から覚めた時だ。朝餐の煙は何となく湿った空気の中に登りつつある。鶏の声も遠近に聞える。 熟しか....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
拭いて、上ると八時。近来朝飯ぬきで、十時に牛乳一合。 今日は少し日課を書いた。朝餐の午餐は赤の飯だ。今日は細君の誕生日である。昨日何か手に隠して持って来たのを....
古き小画」より 著者:宮本百合子
義ある王を守る太陽に礼拝することと、その時称うべき祈祷の文句を教わる。 少量の朝餐が済むと、日が山陰に沈む迄、彼は、戸外で暮した。祖父か、或は他の臣と共に馬に....
大使館の始末機関」より 著者:海野十三
、そして三回目には、穴の入口まで酒が上ってきた。もうこの上は入らない。 やがて朝餐は終った。 「仲々いい庭園じゃろうが。ちと散歩をしてきたらどうじゃ」 「はい....
源氏物語」より 著者:紫式部
なることになる。お食欲もない。簡単な御朝食はしるしだけお取りになるが、帝王の御|朝餐《ちょうさん》として用意される大床子《だいしょうじ》のお料理などは召し上がら....
源氏物語」より 著者:紫式部
の座敷に住んでいて、どの女房をも気安いふうに呼び使い、みずから指図をしながら宮へ朝餐を差し上げたりさせるのを御覧になって、恋人を失ったあとのこの人の生活を気の毒....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
身体の清新な愛は、四月の朝である。それは露のように過ぎてゆく。心の若さは、太陽の朝餐《ちょうさん》である。 クリストフとアーダとの恋愛関係をますます密接ならし....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
の村々が指呼《しこ》される。 ようやく東が白んだばかりで、低い藁屋から寒そうな朝餐《あさげ》の煙が二すじ三すじ。 欠けこんで、すこし淀みになった川岸の枯蘆の....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
り、おのおの帳簿に記名して結婚を証す。その後、両人同車して新婦の父母の家に至りて朝餐の席につく。その席には、両人の親戚、朋友、そのほか寺院の住職も列するなり。食....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
るに及び、一鯨波の俄然押し寄せ来たり、食堂の横窓に打ち込み、十余人の貴女、紳士、朝餐最中に頭上より海水を浴びせられ、食堂の一騒動を醸せるも、長旅の一興なり。終日....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
警察からの電話で身投したことがわかった。 菊子がその報告を受けたのは恵比須屋で朝餐を喫べていた時であった。彼女は食事もそのままにして、遺骸の引取りに出かけた。....