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期節
「期節〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
期節の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
なった。
一日働き暮すとさすが労働に慣れ切った農民たちも、眼の廻るようなこの
期節の忙しさに疲れ果てて、夕飯もそこそこに寝込んでしまったが、仁右衛門ばかりは日....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
云うより、見たばかりでもう何となくなつかしい。第一言い伝えの話が非常に詩的だし、
期節はすがすがしい若葉の時だし、拵えようと云い、見た風と云い、素朴の人の心其のま....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
にきまっている。そこへ気がついた時が人間の生涯《しょうがい》中もっともありがたい
期節である。自分で自分の馬鹿を承知しているほど尊《たっ》とく見える事はない。この....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
反対する諸人をも驚かし、一時文墨の業を中止して投筆の志を興さしめたり。吾輩はこの
期節をもって近時政論史の一大段落となす。しかして第三期の政論を紀するに先だち、こ....
「ケーテ・コルヴィッツの画業」より 著者:宮本百合子
、およそ想像される。それでも彼女はくずおれず、しっかりと目をあいて恐ろしい老齢の
期節をほこりたかく生きとおした。ナチスの降服した年の五月、ケーテは、どんな思いに....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
い油絵でありかつ売れる見込みのあるべき油絵ではあるまいと思うのだが。 私は秋の
期節になると近頃よくこんな事を考えさされるのである。 人は死ぬと、必ず六道の辻....
「鮭の祟」より 著者:田中貢太郎
漁の盛んな比のことであった。銚子に近い四日市場と云う処に貧しい漁師があって、鮭の
期節になると、女房を対手にして夜の目も寝ずに鮭を獲っていた。 利根川の口に秋風....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
のことさら伸張する時代であろう。そのころは臆病風《おくびょうかぜ》の最も強く吹く
期節《きせつ》となろう。 身体局部の故障より来る気弱 気弱《きよわ》は生理的原....
「地上」より 著者:島田清次郎
る間を、大川村の人達は大川村より外の世界を知らずに生活して来ていた。春、夏、秋の
期節には恵まれた北国の野には快い労働と快い婬楽が人々の魂を痺らしたけれど、あの暗....
「アリゾナの女虎」より 著者:牧逸馬
というのは、狩猟の獲物の鹿でも這入って居るのじゃないかと言うはなし――丁度狩りの
期節《シイズン》でもあった。 「然し、色んな事情から見て、何うも可怪しいと思われ....
「真珠の首飾り」より 著者:神西清
よ。」 ところが弟の返事は、 「だからさ、時間はたっぷりあるじゃないですか。聖
期節の二週間は、結婚式をあげるわけには行かないのですから、その間に縁談を決めてく....
「尾瀬沼の四季」より 著者:平野長蔵
黄を取り交ぜて大自然の神苑であるというてよろしいと思う。 ただ惜むらくは紅葉の
期節は短くして十月上旬に限られていることである。 尾瀬沼保護につき、山人の抱負....
「「焚書時代」を脱却」より 著者:中井正一
て、硫酸で焼いてとかしてエロ本になったこの数年間は私たちの責任として悪夢のような
期節であった。 図書館法案が通過した以上、かかる「焚書時代」は、われらの手で喰....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
も、朝夕の南風はすでに秋冷を送り来たる。豪州はわが国と正反対にして、四月は中秋の
期節なり。 夢ならぬ世にも夢かと思ふかな、卯月の末に秋風ぞふく 晩に至り風力よ....
「教育家の教育」より 著者:新渡戸稲造
えておらずまたその心得も持ちませぬので、諸君の前に立って教育に関する意見を述べる
期節にはまだ至りませぬ。然るにいわゆる教育界に身を投じましたに付いてはどういう心....