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朧気
「朧気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
朧気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
に見るあの神々しい娘の姿……私どもの曇った心の鏡にも、だんだんとまことの神の道が
朧気ながら映ってまいり、いつとはなしに御神前で祝詞を上げるようになりました。私ど....
「活人形」より 著者:泉鏡花
顕れ出でつ、やおら歩を運ばして、雨戸は繰らぬ縁側へ、忍びやかに上りけるを、八蔵|
朧気に見てもしやそれ、はてよく肖た婦人もあるものだ、下枝は一室に閉込めあれば、出....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
なものよ。」といささか云い得て濃い煙草を吻と吐いたは、正にかくのごとく、山の端の
朧気ならん趣であった。 「なら可い、君に聞かんでも余処で聞くよ。」 と案外また....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
ましょうか。聞かせましょうか。それともお前さんは御存じかい。」 幕の内で、 「
朧気じゃ、冥土の霧で
朧気じゃ。はっきりした事を聞きたいのう。」 「ええ、聞かして....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
茸狩をする場面である。私は一目見て顔がほてり、胸が躍った。――題も忘れた、いまは
朧気であるから何も言うまい。……その恋人同士の、人目のあるため、左右の谷へ、わか....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
振向いて見ると、その婦人がまだ立っていて、こっちへ指をしたように見えたけれども、
朧気でよくは分らないから、一番、その灯を幸。 路地をお入んなさいッて、酒にでも....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
名、ぱっと墨色濃く、鮮かに最初の火に照されつ。蝋燭の煮え込まざれば、その他はみな
朧気なりき。 ありたけの提灯あかくなりたる後に、一昨日も、その前の日も、昨日も....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
と、その仔雀の身に添って、霞のような気が籠って、包んで円く明かったのは、親の情の
朧気ならず、輪光を顕わした影であろう。「ちょっと。」「何さ。」手招ぎをして、「来....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
とも向うの灯は届かぬ、手探りですよ。 やがて、その土間の広くなった処へ掛ると、
朧気に、縁と障子が、こう、幻のように見えたも道理、外は七月十四日の夜の月。で、雨....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
なんぞ悉しく乗出して聞くのがあるから、私は薄暗がりの中だ。判然とはしないけれど、
朧気に、まあ、見ただけをね、喋舌ってる中に、その……何だ。 向う角の女郎屋の三....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
た。 風は和《な》いだ。曇っては居るが月が上ったと見え、雲がほんのり白らんで、
朧気《おぼろげ》に庭の様子が判る。狭い庭で軒に迫る木立の匂い、苔《こけ》の匂い、....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
たてた。 箱型自動車の中で、僕は自らスイッチをひねって、麻睡瓦斯を放ったことが
朧気ながら確認された。博士のいう極秘の旅行だからやむを得ないことだったろうが、な....
「キド効果」より 著者:海野十三
木戸――とサインされてある此の貴重な三つの曲線の意味は、漸く助手の丘数夫の頭脳に
朧気ながら理解されるに至った。しかしAとかBとかCとかいう興奮の種類は、じたい如....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
施設について智識のない僕でも、次に何事が計画されているか、実行されるかという事を
朧気ながら推察することが出来ました。これこそわが大日本帝国の一大事である。そして....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
忍びよって、人造人間の前に死の呪文を唱えたに違いない。博士殺害の手段は、ようやく
朧気ながらも見当がついて来た。 「さあ、誰が号令したのだろう」 係官は鳩首協議....