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木の下
「木の下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木の下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
葉をたれた枇杷《びわ》があって、その影がわずかながら、涼しく窓に落ちている。この
木の下を、この戸口へはいった事は、何度あるかわからない。が、これからは?
太郎....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
と、――急に便通を感じた。伝吉はやむを得ず藪《やぶ》かげへはいり、漆《うるし》の
木の下《した》へ用を足した。この一条を田代玄甫《たしろげんぽ》は「胆《きも》の太....
「路上」より 著者:芥川竜之介
と思うと追々に赤煉瓦の色が寒くなって、正門の前から続いている銀杏《いちょう》の並
木の下まで来ると、もう高い並木の梢《こずえ》が一面に煙って見えるほど、しとしとと....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
」
二十二
この時部落の後《うしろ》にある、草山《くさやま》の楡《にれ》の
木の下には、髯《ひげ》の長い一人の老人が天心の月を眺めながら、悠々と腰を下してい....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
の男は、後《のち》間もなく、木樵《きこ》りが※の木を伐り倒すのに手を借して、その
木の下に圧されて歿《な》くなりました。これによく似ているのは、ロストックで数学の....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
》人のオオクションである。俺はあのオオクションへ行った帰りに租界《そかい》の並み
木の下《した》を歩いて行った。並み木の槐《えんじゅ》は花盛りだった。運河の水明《....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
紅毛人の船長である。
34
この山みち。「さん・せばすちあん」は樟の
木の下に船長と何か話している。彼の顔いろは重おもしい。が、船長は脣《くちびる》に....
「或る女」より 著者:有島武郎
坂をすたすたと登って帰って来るまでも葉子は旅館の閾《しきい》をまたがずに桜の並み
木の下などを徘徊《はいかい》して待っていた。さすがに十一月となると夕暮れを催した....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
雑草を抜いた。実際庭は水場だけにいろいろの草を生じやすかった。僕はある時|冬青の
木の下に細い一本の草を見つけ、早速それを抜きすててしまった。僕の所業を知った父は....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
のなかまにはいったので、いうことはよくわかりました。 「わたしはみどりのしゅろの
木の下をとんでいたのだ。」と、カナリヤがうたいました。「わたしは男のきょうだいや....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ないくらいでした。 お日さまが、もうすいぶんたかくのぼったので、ふたりは大きな
木の下に腰をおろして、朝の食事にかかかりました。そこへ、ひとりのおばあさんがある....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
あいました。その人たちはマルコをじっと見ていました。 マルコは歩けるだけ歩くと
木の下に眠りました。その次の日もそうしました。そうするうちに彼の元気はすっかりな....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
と戦っているさまを見ているのだった。そのあいだに、イカバッドはあの大きなエルムの
木の下の泉のほとりや、あるいは、黄昏のなかをぶらぶら散歩しながら、娘を口説くのだ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
十日―― また一人|殺った。昼食を済まして、川端を歩いていると、釣師が一人柳の
木の下に眠っていた。正午だった。鋤が一丁、傍の馬鈴薯畑の中に、まるで故意に置いて....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
らした藤棚の下を歩いて行った。この掛け茶屋や藤棚もやはり昔に変っていない。しかし
木の下や池のほとりに古人の句碑の立っているのは僕には何か時代錯誤を感じさせない訳....