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木の葉
「木の葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木の葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
《ほくしんむそうりゅう》の剣法も教えていたらしい。けれども「伝吉物語」「旅硯」「
木の葉」等によれば、伝吉は剣法を自得《じとく》したのである。「あるいは立ち木を讐....
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
の音がしたほかは、馬の嘶《いなな》く声さえ聞えない。その中で、どことなく、枯れた
木の葉の匂《におい》がする。
「しかしです。」呂馬通は一同の顔を見廻して、さも「....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
来ないから、それを忘れずにいるが好い。」
そう言いながら目一つの神は、また森の
木の葉をふるわせて、風のように舞い上ってしまいました。
二
....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
は藤蔓《ふじづる》の橋を渡るが早いか、獣《けもの》のように熊笹を潜《くぐ》って、
木の葉一つ動かない森林を、奥へ奥へと分けて行った。星の光、冷かな露、苔《こけ》の....
「或る女」より 著者:有島武郎
ながら聞き耳を立てた。船のおののきとも自分のおののきとも知れぬ震動が葉子の五体を
木の葉のようにもてあそんだ。しばらくしてその叫喚がややしずまったので、葉子はよう....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ゅうからとが枯枝をわたってしめやかなささ啼《な》きを伝えはじめた。腐るべきものは
木の葉といわず小屋といわず存分に腐っていた。
仁右衛門は眼路《めじ》のかぎりに....
「星座」より 著者:有島武郎
っていった。
風は死んだようにおさまっている。それだのに枝頭を離れて地に落ちる
木の葉の音は繁かった。かさこそと雑
木の葉が、ばさりと朴《ほう》の木の広葉が、……....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ばん冷たい呼吸を呼吸しているのだ。 私は君を忘れてはならない。もう港を出離れて
木の葉のように小さくなった船の中で、君は配縄の用意をしながら、恐ろしいまでに荘厳....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
のだ。これより悪いことが多く他にあろうか。 楽園は既に失われた。男女はその腰に
木の葉をまとわねばならなくなった。女性は男性を恨み、男性は女性を侮りはじめた。恋....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
厳かに見やられた。クララは有頂天になった。全身はかつて覚えのない苦しい快い感覚に
木の葉の如くおののいた。喉も裂け破れる一声に、全身にはり満ちた力を搾り切ろうとす....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、そこに巾さが二三|間ぐらいの大きな瀑布が、ゴーッとばかりすさまじい音を立てて、
木の葉がくれに白布を懸けて居りました。 私はどこに一|点の申分なき、四辺の清浄....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
りが秋にならなければ帰れないという手紙をよこしたので、落胆してしまったのでした。
木の葉が落ちつくして、こがらしのふき始める秋まで待つ事はたえ切れなかったのです。....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
とは申しながらさすがに日がぽかぽかとうららかで黄金色の光が赤いかわらや黄になった
木の葉を照らしてあたたかなものですから、燕は王子のおおせのままにあちこちと飛び回....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
い風がぴゅうぴゅう吹き荒んでいるのです。杜子春はその風に吹かれながら、暫くは唯|
木の葉のように、空を漂って行きましたが、やがて森羅殿という額の懸った立派な御殿の....
「寡婦」より 著者:秋田滋
いました。その晩は夜どおし雨が降っていたのです。私は目をあげて上を見ました。と、
木の葉のなかで何か揺れているものがあります。風があったのです。かなり強く風が吹い....