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木の間隠れ
「木の間隠れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木の間隠れの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「木魂」より 著者:夢野久作
又も以前の通りの思出を繰返しつつ、……自分の帰りを待っているであろう妻子の姿を、
木の間隠れの一軒屋の中に描き出しつつ……。 彼はそれから後、来る日も来る日もそ....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
″\/″\/″\車を挽いて折田村まで一里ばかりも参りますと、どっぷり日は暮れて、
木の間隠れに田舎家の灯がちら/\見えまして、幽かに右の方は五段田の山続き、左は吾....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
ります。此方は圓次が今庚申塚へ通りかゝる。時は宝暦十一年八月五日、宵闇の薄暗く、
木の間隠れに閃く刄を引抜きて原丹治が待受る所へ通りかゝる青馬に、大文字に鹽原と書....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
裏手の墓地外れに一際目立つ「蔵元|家先祖代々之墓」と彫った巨石が立っているのが、
木の間隠れに往来から見える。 その巨石を取巻く大小の墓の前には、それぞれに紅と....
「地上」より 著者:島田清次郎
いた。地は一面に誇らしい黄金色の稲穂の波をうねらせている野面が北野家の奥座敷から
木の間隠れに見わたされる。 「お信さん、どんな工合ですかね」 「大分いいようです....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
に湖水を渡って小さな入江に横付けとなった。彼等は五六階の石段を上って上陸したが、
木の間隠れになっていて、品物を運び出すには実に倔強の場所であった。 『オイ別荘に....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
れきり二人は黙った。ちょうど、道もジメジメした長い木下闇へかかっている。 もし
木の間隠れの谷紅葉が折々に見えなかったら、暗夜を行くのと変りはない。ひとり、その....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
公文所 とも呼び、大昔の小野妹子いらい、世襲になっているという寺司職の私邸が、
木の間隠れに、しずかだった。 「……では、これで」 正成は今、そこの奥を辞して....