木切れ[語句情報] » 木切れ

「木切れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

木切れの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る嬰児殺しの動機」より 著者:佐左木俊郎
を曳《ひ》いていく自分を、吾助爺は奔流の中に渦巻かれながら浮き沈みして流れていく木切れか何かのように感ずるのだった。 吾助爺はこの洪水のような雑踏の中を押し切....
パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
りへ這入って行った。彼は馬の速力をゆるくした。そして、静かに、そこらにある車や、木切れなどを蹴散らさないように用心しいしい歩んだ。栗毛の肉のしまった若々しい馬は....
三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
。 川水は、少し濁っていて、杭には、草が、藁が引っかかっている。岸の凹みには、木切れ、竹、下駄などが、浮いていた。 「おーい」 「おーい」 船頭は、合図をし....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
て、その中に座蒲団を敷き母をその中に坐らせる。早く夜明けが来ればいいのだ。七輪に木切れを焚《た》き部屋をあたためる。 新聞紙を折りたたんで、母の羽織の下に入れ....
原爆詩集」より 著者:峠三吉
本のちいさな墓標 「斉美小学校戦災児童の霊」 焼煉瓦で根本をかこみ 三尺たらずの木切れを立て 割れた竹筒が花もなくよりかかっている AB広告社 CDスクーター商....
二十三番地」より 著者:宮本百合子
腰をかけて夢中になって物《もの》を読んで居たり、小さい子の前にしゃがんで、地面に木切れで何か書き書き真面目な顔をして話して居るのを見ると、どうしても、見ずには居....
しっかり者のすずの兵隊」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
あとから追いかけて来ました。 うッふ、ねずみはきいきい歯ぎしりして、わらくずや木切れに、どんなによびかけたことでしょう。「あいつをおさえろ。あいつをおさえろ。....
夏の小半日」より 著者:寺田寅彦
に押されるが、谷を通る時は反対に引きもどされます。もう少し詳しく水に浮かんでいる木切れか何かの運動を注意していると、波が一つ通るごとに、楕円形の輪を描いている事....
狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
うな湯もじの裾をまくってみたり、女の髪の元結いの結び目を覗きまわったり、有り合う木切れを拾い上げて、女の口をコジあけて、黒血の一パイに溜まっている奥の方を覗いて....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
女の一群上手よりどやどやと出て来て舞台の下手へ入る。中の三四人、序に運んで来た材木切れをそこに置き、身体の埃を打ち叩き、着物をかい繕ろいなどしつつ作業を仕舞った....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
を見廻した。一本の枯れ木の手頃なのを拾い、それを三之助に持たせて、自分も有り合う木切れを取って、こういった。 「師弟になるかならぬか、まだ返辞はできぬ。その棒を....
こども風土記」より 著者:柳田国男
た。 ちょうど片仮名のイの字を逆さにしたような棒で、現在は鉤の全く取れたただの木切れを尖らせて打つ地方も多いようだが、私などは鉤が有るために面白く打てたのだと....