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木剣
「木剣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木剣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
》を想像した。想像?――しかしその想像は現実よりも一層現実的だった。彼は又何度も
木剣を提げ、干し菜をぶら下げた裏庭に「水滸伝」中の人物と、――一丈青|扈三娘《こ....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
に精気がついたその勢いで、朝に猿と遊び、昼は書を読み、夕は檜の立木を相手にひとり
木剣を振うている内に三年がたち、アバタの穴が髭にかくれるほどの山男になってしまっ....
「巌流島」より 著者:直木三十五
て学んだが、好んで大太刀を使ったと伝えられて居る。 十五六の頃、小次郎が三尺の
木剣、ほぼ勢源の対手《あいて》をするに足る位に使えるようになった。勢源が強いと云....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が一流の剣術ぶりを、そのころ剣客仲間の呼|慣《なら》わしで、竹刀《しない》にあれ
木剣にあれ、一足一刀の青眼に構えたまま、我が刀に相手の刀をちっとも触《さわ》らせ....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
こう云ったのは石渡三蔵で、上段の間からヒラリと下りると壁にかけてあった赤樫の
木剣、手練が使えば真剣にも劣らず人の命を取るという蛤刃の太長いのをグイと握って前....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の御坂《みさか》の夜のことが、彼の念頭を鉛のように抑えて来ました。宇津木文之丞を
木剣の一撃に打ち斃《たお》したその夜、同門の人にやみうちを受けた霧の御坂の一夜、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
竹刀をポンと投げ出す。 「無礼な仕方」 尺八を吹いた武士は怒る。 「おのれ!」
木剣を拾って、机竜之助の天蓋の上から、脳骨微塵《のうこつみじん》と打ち蒐《かか》....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
「刃物をもって……卑劣なやつ」 巌の憤怒は絶頂に達した、およそ学生の喧嘩は双方
木剣をもって戦うことを第一とし、格闘を第二とする、刀刃や銃器をもってすることは下....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。思い直したと見えて、それを脇差にはさんでしまい、体を斜めにして、傍《かた》えの
木剣を引寄せて、今度来たならば一撃の下《もと》にと身構えしているとは知らず、三度....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
木剣試合 1 文政×年の初夏のことであった。 杉浪之助は宿を出て、両国をさし....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
び上がると手をのばして、板壁に幾本かかけられてある、型の練習に使用する赤樫蛤刃の
木剣の一つを、やにわに握ると矢のように飛び出し、四人目の門弟を打ち込もうとして、....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
っている。いつでも地をけって飛びだす柔軟性をひそめて全部の力の支点となっている。
木剣はやや腕をまげて軽くひきつけて横に倒してかまえている。野球のバットを腰に構え....
「酒渇記」より 著者:佐藤垢石
淡紅の馬つつじを眺め、帰り路は湯の沢の渓を下山した。塚原卜伝と真庭念流の小天狗と
木剣を交えた三夜沢の赤城神社を参拝してから、関東の大侠大前田英五郎の墓のある大胡....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
由になると忽ちお掛屋(今の銀行業のようなもの。)の株を買って、町人ながらも玄関に
木剣、刺叉、袖がらみを列べて、ただの軽焼屋の主人で満足していなかった。丁度兄の伊....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
着て、下は木綿か紬か分りませんが、矢張鼠無地の小袖でございます、端折を高く取って
木剣作の小脇差を差し、二十四|節の深編笠を冠り、合切嚢を斜に掛け、鼠の脚半に白足....