木地[語句情報] » 木地

「木地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

木地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
てまた例の木の丸太を渡るのじゃが、さっきもいった通り草のなかに横倒れになっている木地がこうちょうど鱗《うろこ》のようで、譬《たとえ》にもよくいうが松の木は蝮《う....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
丸多へ渡したんです。鷹の絵は女絵かきの孤芳にかかせましたが、その絵といい、絵馬の木地といい、よっぽど上手に出来ていたと見えて、丸多も見ごとに一杯食わされてしまっ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ろ其の頃の花魁ですからね。その碁盤もわたくしは見ましたが、頗る立派なものでした。木地は榧だそうですが、四方は黒の蝋色で、それに桜と紅葉を金蒔絵にしてある。その蒔....
食魔」より 著者:岡本かの子
芸術|三昧に飛揚して没せた親友の、音楽が済み去ったあとで余情だけは残るもののその木地は実は空間であると同じような妙味のある片付き方で終った。その病友の生涯と死に....
単独行」より 著者:加藤文太郎
の田圃に違いないとこう思ってしまった。恐ろしい感違いだ。実はこの木の無いところは木地屋という椀や杓子等のほり物をする人が、雪の無いときやってきて木を切ってしまっ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
帰って待っていると、果たして一両日の後にたくさんの材木を運ばせて来ました。しかも木地が良くて、値が廉いので、徐は大喜びで取引きをしました。 それでもうこの土地....
温泉」より 著者:梶井基次郎
角屋」の悪口を言っては、硝子戸越しに街道を通る人に媚を送っている。 その隣りは木地屋である。背の高いお人好の主人は猫背で聾である。その猫背は彼が永年盆や膳を削....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
して、牡丹花の額がかかる。……いかにや、年ふる雨露に、彩色のかすかになったのが、木地の胡粉を、かえってゆかしく顕わして、萌黄に群青の影を添え、葉をかさねて、白緑....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
に休むと、媼が口の長い鉄葉の湯沸から、渋茶を注いで、人皇何代の御時かの箱根細工の木地盆に、装溢れるばかりなのを差出した。 床几の在処も狭いから、今注いだので、....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
が細って泣止まない。 「身に沁みますね、何ですか、狐が鳴いてるように聞えます。」木地の古びたのが黒檀に見える、卓子台にさしむかって、小村さんは襟を合せた。 件....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
ェルナンドが設計して呉れたモダニズムの室内装飾具は素っ気ないマホガニーの荒削りの木地と白真鍮の鋭い角が漂う闇に知らん顔をして冷淡そのものを見るようだ。フェルナン....
怪獣」より 著者:岡本綺堂
ましたが、まったく好く出来ているように思われました。職人たちも感心していました。木地は桂だろうということでした。」 「二つの人形は何を彫ったのですか。」 「それ....
炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
して転々するものである」とあるのによれば、この地方には往時各地に漂泊生活を営んだ木地屋の仲間の様に、今でもやはり炭焼専門の漂泊民が遺っているらしい。また同じ倉光....
渋温泉の秋」より 著者:小川未明
に裏を返して見せているのも淋しかった。 眼の下にお土産物を売っている店がある。木地細工の盆や、茶たくや、こまや、玩具などを並べている。其の隣りには、果物店があ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
屋外の白光から、一旦|黄色光に変じ、黄色光から、宏壮な機関室に入って、やや本然の木地の明りにその色は沈静して、しかして、コトリコトリと首をもたげて来る。その一列....