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木戸
「木戸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木戸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
の篠垣はぎいと後ろへ引きあげられた。垣だとばかり思っていたものは垣のように出来た
木戸《きど》だったのであろう。そのまた
木戸から出て来たのを見れば、口髭《くちひげ....
「白」より 著者:芥川竜之介
み》は二十五日(十月)午後二時ごろ、突然|巌乗《がんじょう》な檻《おり》を破り、
木戸番《きどばん》二名を負傷させた後《のち》、箱根《はこね》方面へ逸走《いっそう....
「或る女」より 著者:有島武郎
精魂を尽くした。いつ苔香園《たいこうえん》との話をつけたものか、庭のすみに小さな
木戸を作って、その花園の母屋《おもや》からずっと離れた小逕《こみち》に通いうる仕....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
へ帰ると、玄関には書生が居て、送迎いの手数を掛けるから、いつも素通りにして、横の
木戸をトンと押して、水口から庭へ廻って、縁側へ飛上るのが例で。 さしむき今日あ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
た何枚かの作品をめちゃくちゃにふろしきに包みこんで帰って行ってしまった。 君を
木戸の所まで送り出してから、私はひとりで手広いりんご畑の中を歩きまわった。りんご....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
った乱暴な猥雑なものですが――小屋の表には後姿の女が裲襠を着て、背を見せている。
木戸番は声を限りに
木戸札を叩いて「ヤレ突けそれ突け八文じゃあ安いものじゃ」と怒鳴....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
いつは知らないらしい。 ちょうど吹倒れた雨戸を一枚、拾って立掛けたような破れた
木戸が、裂めだらけに閉してある。そこを覗いているのだが、枝ごし葉ごしの月が、ぼう....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
屋の看板より念入なり。一面藤の花に、蝶々まで同じ絵を彩った一張の紙幕を、船板塀の
木戸口に渡して掛けた。正面前の処へ、破筵を三枚ばかり、じとじとしたのを敷込んだが....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
が一人、真中に、白襟、空色|紋着の、廂髪で痩せこけた女が一人|交って、都合三人の
木戸番が、自若として控えて、一言も言わず。 ただ、時々…… 「さあさあ看板に無....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ね。」 と私は言った。 名にし負う月の名所である。ここの停車場を、月の劇場の
木戸口ぐらいな心得違いをしていた私たちは、幟や万燈には及ばずとも、屋号をかいた弓....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
につけ、店の亭主が向顱巻で気競うから菊正宗の酔が一層|烈しい。 ――松村さん、
木戸まで急用―― いけ年を仕った、学芸記者が馴れない軽口の逃口上で、帽子を引浚....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
崎町の原へ大斜めに行く場所である。が、あの辺は家々の庭背戸が相応に広く、板塀、裏
木戸、生垣の幾曲り、で、根岸の里の雪の卯の花、水の紫陽花の風情はないが、木瓜、山....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
どの家も一杯で、客が受け切れませんのでござります。」 婆々はひしひし、大手の
木戸に責め寄せたが、 「しかし貴客、三人、五人こぼれますのは、旅籠でも承知のこと....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
うの人たちが知っていました。それで、たれも大きなかなしみにおそわれました。芝居は
木戸をしめたままです。お菓子屋さんたちは申しあわせたように、小ぶたのお砂糖人形を....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
添って、小さな杜若の咲いた姿が、白く光る雲の下に、明く、しっとりと露を切る。……
木戸の釘は錆びついて、抜くと、蝶番が、がったり外れる。一つ撓直して、扉を開けるの....