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木戸番
「木戸番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木戸番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白」より 著者:芥川竜之介
み》は二十五日(十月)午後二時ごろ、突然|巌乗《がんじょう》な檻《おり》を破り、
木戸番《きどばん》二名を負傷させた後《のち》、箱根《はこね》方面へ逸走《いっそう....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
手にも住《とど》まらで、空に文《あや》織る練磨《れんま》の手術、今じゃ今じゃと、
木戸番は濁声《だみごえ》高く喚《よば》わりつつ、外面《おもて》の幕を引き揚《あ》....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
皿を取りまいて、楽屋じゅうの者が眼を見あわせていた。お此が嚇されて帰ったあとへ、
木戸番の又蔵《またぞう》が鮓屋の出前持ちと一緒に楽屋へはいって来て、お絹さんへと....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
香具師とはいうものの自分が興行をしているのではない。どこかの観世物小屋に雇われて
木戸番を勤めているらしいことは、亀吉の報告でわかっていた。半七は小声でまた訊いた....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
気はない。彼はあとへ引っ返して逃げたのである。 表の木戸口まで逃げ出して、彼は
木戸番に食ってかかった。 「ふてえ奴だ。こんないかさまをしやあがる。生きた人間を....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
った乱暴な猥雑なものですが――小屋の表には後姿の女が裲襠を着て、背を見せている。
木戸番は声を限りに木戸札を叩いて「ヤレ突けそれ突け八文じゃあ安いものじゃ」と怒鳴....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
が一人、真中に、白襟、空色|紋着の、廂髪で痩せこけた女が一人|交って、都合三人の
木戸番が、自若として控えて、一言も言わず。 ただ、時々…… 「さあさあ看板に無....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
ぬ。かねてその牛若に扮せし姿、太くわが心にかないたり。 見物は未だ来り集わず。
木戸番の燈大通より吹きつくる風に揺れて、肌寒う覚ゆる折しも、三台ばかり俥をならべ....
「文福茶がま」より 著者:楠山正雄
屋をこしらえて、文福茶がまの綱渡りと浮かれ踊りの絵をかいた大看板を上げ、太夫元と
木戸番と口上言いを自分一人で兼ねました。そして木戸口に座って大きな声で、 「さあ....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
は無聊に苦しんでいる。そこでそんなような見世物が掛かって、繁昌をする次第なのさ。
木戸番の老爺が番台の上に坐って、まねきの口上を述べていた。 「八人芸の真っ最中で....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
と出ると、伊太郎は其方へ足を向けた。 「いらはいいらはい! 始まり始まり!」と、
木戸番の爺が招いていた。 「面白そうだな。入って見よう」 それで伊太郎は木戸を....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
りだな、爺つぁん」 木戸口にいた爺さんへ、こう浪之助は声をかけた。 「へい」と
木戸番の爺は云った。 「これは杉様で、お珍しい」 「たっしゃでいいな、一年ぶりだ....
「おせん」より 著者:邦枝完二
火事場の纏持のように、息せき切って駆け込んで来たのは、同じ町内に住む市村座の
木戸番長兵衛であった。 伝吉はぎょっとして、もう一|度長兵衛の顔を見直した。 ....
「茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
、そう聴いた以上は素通りもなるまい。せめて結縁のしるしなりと、どれ」 と言って
木戸番の前へ行って合掌礼拝しました。 円通の方は無頓着、飄逸という方です、或る....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
ないので母に銭をもらっては、それをつかんでひた走りに走ってそこまで行ったものだ、
木戸番をしているのが人のよさそうな老人で、しまいには私の熱心に動かされ「坊ちゃん....