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「木斛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

木斛の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
追憶」より 著者:芥川竜之介
を薪にしたという人だった。 三 庭木 新しい僕の家の庭には冬青、榧、木斛、かくれみの、臘梅、八つ手、五葉の松などが植わっていた。僕はそれらの木の中で....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、そのまま、米問屋をはじめたわけなので、なかなか凝った茶庭になっていたが、大きな木斛《もっこく》の木かげから、じっと見ると、奥座敷では、今は浅間しく取り乱した、....
人の国」より 著者:豊島与志雄
りと手からぬけ出した。久保田さんは一歩半ばかりよろめいて、ひょいと向うを見ると、木斛《もっこく》の粗らな下枝の茂みの彼方に、高等学校の受験準備をしてる長男の洋太....
立枯れ」より 著者:豊島与志雄
体が意識され、それがお互の体臭を分ち合ってることが意識されるのだった。 窓外の木斛《もっこく》の青葉が、日に照され光って、いやに中江の眼にしみた。 さて、用....
父の形見」より 著者:豊島与志雄
石と、数本の樹木と、小さな花壇があった。父はその庭石を据えなおし、椿の枝を鋏み、木斛の虫をとり、楓の枯葉をはらい、草花に肥料をやった。縁側に腰掛けて煙草を吸いな....
広場のべンチ」より 著者:豊島与志雄
の木の根本に、ベンチが一つ置かれていた。重い曇り空から、細雨が粗らに落ちていて、木斛の葉も柳の葉も、夾竹桃の茂みも、しっとり濡れていたが、篠懸の葉下のベンチはま....
白藤」より 著者:豊島与志雄
が濃くなったり淡くなったりするのを見ました。姉の幼児に、長い睫毛を見ました。庭の木斛の葉に、雀の白い糞を見ました。御影石の門柱に、新らしい欠け跡を見ました。その....
聖女人像」より 著者:豊島与志雄
然し、庭の百日紅はまったく綺麗だ、上方が折れ朽ちてる桜の古木の横手、山茶花や木斛や木犀や檜葉などの茂みの中に、鮮紅色と白色との花が群がり咲いている。緑葉の茂....