木札[語句情報] »
木札
「木札〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木札の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
め、砂の上の何かを拾い上げた。それは瀝青《チャン》らしい黒枠の中に横文字を並べた
木札だった。
「何だい、それは? Sr. H. Tsuji……Unua……Apr....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
五円の平屋《ひらや》を見つけて、そこに移ると、早速、「おはり教えます」と、小さな
木札を軒先に吊した。長屋の者には判読しがたい変った書体で、それは父親譲り、裁縫《....
「振動魔」より 著者:海野十三
、言葉も頓に発し得ないで、反対の側の片隅を、無言の裡に指した。そこには黒い横長の
木札の上に、トイレットという文字が白エナメルで書きしるされてあった。 雪子夫人....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
のこと、お天気のよい日には肉眼ででも、房総半島がハッキリ見えた。「五分間十銭」の
木札をぶらさげた貸し望遠鏡には、いつもなら東京見物の衆が、おかしな腰付で噛りつい....
「夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
音があった。 「組長さん、おいでですか――」 その跫音は、「舎監居間」と書いた
木札を、釘で打ちつけてあるわしの室の入口の前で停るが早いか、そう、声をかけたのだ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
私が海城村落の農家へ泊まりに行くと、あたかも軍医部員が検査に来て、家の前の井戸に
木札を立てて行くところであった。見ると、その札に曰く「人馬飲ムベカラズ」 人間....
「海賊と遍路」より 著者:黒島伝治
さない。 島の人々は、遍路たちに夏蜜柑を籠に入れ道ばたに置き一ツ二銭とか三銭の
木札を傍に立てゝ売るのだが、いまは、蜜柑だけがなくなって金が入れられていないこと....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
。 小さい石祠がある、屋根には南無妙法蓮華経四千部と読まれた、大日如来と書いた
木札が建ててある、私たちの一行より、二十日も前に登山した土地測量技師や、昨年登山....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
小さな木祠が祀ってあって、扉を開けて見ると、穂高神社奉遷座云々と、禿び筆で書いた
木札などが、散乱している。 唐檜や落葉松が、しんしんと立てこんでいる中を、木祠....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
子段を上ったところに、浅間神社を勧請した離屋が、一屋建ててあり、紀伊殿御祈願所の
木札や、文化年間にあげたという、太々神楽の額や、天保四年と記した中山道深谷宿、近....
「雨」より 著者:織田作之助
の裏長屋に家賃五円の平屋を見つけて、そこに移ると、さっそく、裁縫教えますと小さな
木札を軒先に吊るした。長屋の者には判読しがたい変った書体で、それは父親譲り、裁縫....
「火の扉」より 著者:岸田国士
この田辺の港にたどりつくまでに、もう、浦賀の船着場でもそれはみられた。浦賀では、
木札をかゝげる代りに、大声で「浜島茂」の名が叫ばれていた。 田辺の町へは昨夜お....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
まじないだ。みを食えば暖か暖かだ。」 と雨垂に笠も被らないで、一山ずつ十銭の附
木札にして、喚いている。 やっぱり綺麗なのは小鯛である。数は少いが、これも一山....
「雨」より 著者:織田作之助
蔵路次の裏長屋に家賃五円の平屋を見付けてそこに移ると、早速、裁縫教えますと小さな
木札を軒先につるした。長屋のものには判読しがたい変った書体で、それは父譲り、裁縫....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
も米や味噌を買わなければならぬし、人夫も一人雇わなければならないので、性の失せた
木札に物品販売所の文字も怪しい路傍の家に寄り込んで相談を始めた。味噌は丁度この家....