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木枕
「木枕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木枕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「手紙」より 著者:芥川竜之介
ってトランプや将棊《しょうぎ》に閑《ひま》をつぶしたり、組み立て細工《ざいく》の
木枕《きまくら》をして(これはここの名産です。)昼寝をしたりするだけです。五六日....
「二百十日」より 著者:夏目漱石
ないぜ。さっき温泉《ゆ》に這入《はい》りに来る時、覗《のぞ》いて見たら、二人共|
木枕《きまくら》をして、ぐうぐう寝ていたよ」 「
木枕をして寝られるくらいの頭だか....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
友吉に手伝わさせて、半七は押入れから寝道具をひき出してみると、枕は坊主枕一つと
木枕二つ、掛蒲団と敷蒲団も三、四人分を貯えてあるらしかった。大きい古蚊帳も引んま....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いい紋作と冠蔵とはその部屋を占領して一つ蚊帳のなかに眠った。疲れ切っている二人は
木枕に頭を乗せるとすぐに高いびきで寝付いてしまったが、およそ一※も経つかと思うこ....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
言うだけのことを言ってしまって、彼はにわかに疲労したらく、そのまま横向きになって
木枕に顔を押し付けた。平助も黙って自分の寝床にはいった。 夜半から雪もやみ、風....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
病院に寄った時、看護婦や看護卒は一人もいず、患者の家族だけだった。患者も附添人も
木枕で昼寝をしていた。軽傷の美青年がいた。二人の少女が彼をいたわり、共に左右から....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
、ささけた一円札が六七枚もたまっている。貯金帳は出たりはいったりでいくらもない。
木枕に頭をふせているとくるわの二時の拍子木がカチカチ鳴っていた。
(十月×日)....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
いわれぬほどうれしく感ぜられる。 夜具はかなりに広いのが一枚、それを柏餅にして
木枕で寝るのだ。着物は夜も晝も同じものでただ寝るときには襦袢ばかり着て着物を上に....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
頭が柔かいので、夜寝るのに枕の堅いのが大嫌いであった。ある時師の無名庵に泊って、
木枕にぐるぐる帯を巻きつけていたのを、芭蕉に見とがめられて、 「お前は頭に奢を持....
「連環記」より 著者:幸田露伴
れ漫々洋々として、大河の如く大湖の如く大海の如く、※足引いたが、恰もそこに在った
木枕を取って中へ打込み、さらりと戸をしめて院外へ出て帰ってしまった。源信はそれか....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
人を迎えた。浴衣に伊達巻をしめたまま、畳のうえに横になっていたものらしく、朱塗の
木枕だけが、部屋の隅っこに押しやってある。 「せっかくおやすみのところをお邪魔で....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
棄半分に度胸を据えて、ふたたび横になった。以前のように表をうしろにして、左の耳を
木枕に当て、右の耳の上まで蒲団を引っかぶって、なるべくその声を聞かないように寝こ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
と、汚い敷物の上に、七八人の客が坐っていた。
「大分、騒いでおりますな」
と、
木枕をいじりながら、隠居らしい人が、隣りの男へ、声をかけた。
「本当にねえ、芝を....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
誰かがここまで運び込んで、かれを横たえて行ったに相違ない。かれの耳の下には痛い
木枕があてがわれていた。まだ本当に夢からは醒め切らないような心持で、小坂部は半身....
「世間師」より 著者:小栗風葉
、それでも敷と被と二枚延べて、そして帯も解かずにそのまま横になった。枕は脂染みた
木枕で、気味も悪く頭も痛い。私は持合せの手拭を巻いて支った。布団は垢で湿々して、....