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木柵
「木柵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木柵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
の屋根屋根は、不揃いだと思わないか。君はきっと、銀座か新宿のデパアトの屋上庭園の
木柵によりかかり、頬杖ついて、巷《ちまた》の百万の屋根屋根をぼんやり見おろしたこ....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
い人間が、槍のようなものを持って、その門を守っていた。 見ると、その営所を囲む
木柵《もくさく》に多くの男女が集っていた。ワトソンが行くと、彼らはこの異邦人を恐....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
った。これは、二、三百メートルばかりの間に、灌木の藪や、石垣や、濠や、独木橋や、
木柵などをならべ立てたもので、それを兵隊が競走するのだった。僕はそこで毎日猿のよ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
て、「まあ、木下さんが」と云って眼を瞠って膝を立てた。 小座敷から斜に距てて、
木柵の内側の床を四角に切り抜いて、そこにも小さな生洲がある。遊客の慰みに釣りをす....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
りまで二十余町の間、二重二重に乾堀を掘り土手を築き、且つ三四十間置きに出口のある
木柵を張り廻らしめた。この土手と柵とに拠って武田勢の進出を阻み、鉄砲で打ちひしご....
「運命」より 著者:幸田露伴
刀鎗既に互に鳴る。都指揮使|謝貴は七衛の兵、并びに屯田の軍士を率いて王城を囲み、
木柵を以て端礼門等の路を断ちぬ。朝廷よりは燕王の爵を削るの詔、及び王府の官属を逮....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
進んで生田に屯している備前藩の兵士に戦いをいどんだ。三小隊ばかりの英国兵が市中に
木柵を構えて戦闘準備を整えたのは、その時であった。神戸から大坂に続いて行っている....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
頃みょうにふさぎこんでいるじゃないか」 学校でのお昼休みの時間、運動場のすみの
木柵によりかかって、ぼんやり考えこんでいる、道夫の肩を、そういってたたいた者があ....
「故郷」より 著者:井上紅梅
んなに早く歩けたものだね」 (犬ぢらしはわたしどもの村の養鶏の道具で、木盤の上に
木柵を嵌め、中には餌を入れておく。鶏は嘴が長いから柵をとおして啄むことが出来る。....
「郷介法師」より 著者:国枝史郎
「見事々々」と最所治部は思わず感嘆して声を掛けたが、途端に郷介一鞭くれると馬場の
木柵を飛び越した。 「ワッハハハハ」と哄笑の声が郷介の口から迸ったが、 「最所殿....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
てぼんやり窓の外をながめていた。 窓の五六間さきは道路で、学校の敷地との境は、
木柵で仕切ってある。次郎は、見るともなく
木柵を見ているうちに、急に「おや」と思っ....
「都の眼」より 著者:竹久夢二
れは話だと、留吉は考えました。 さて、二十四番地はどこだろう。 細っこい白い
木柵に、紅い薔薇をからませた門がありました。石を畳みあげてそのうえにガラスを植え....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
天草四郎はここへ籠って、バラックの城をつくり、失われた石垣の代りには竹矢来や
木柵をめぐらした。 幕府軍はその対面の丘に砲台を築いて攻撃した。その大砲のタマ....
「地上」より 著者:島田清次郎
自分は淋しいと彼は思った。 次の朝平一郎はM学院へ行った。監獄のように廻らした
木柵の代りに荊棘が自然に垣根をなしていた。門の扉ははずれたままで、門側には伸び放....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
の光だ。 汽車は駛る。 玩具のような樺太の汽車。 カーブだ。や、砂浜だな。
木柵、
木柵、
木柵、 海老茶だ、あ、すかんぽだ、あ、お襁褓だ。あ、お負っている。....