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「木炭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

木炭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
汽笛」より 著者:佐左木俊郎
見詰め続けていると彼女の顔は彫刻的な感じから絵画的なものに変わって行った。汚れた木炭紙の蒼白《あおじろ》さだ。もはやその眉や髪さえが貞吉には色彩としての働きを持....
海底都市」より 著者:海野十三
、あれは博物館に陳列されているあれではございませんでしょうか。ガソリン自動車とか木炭自動車とか申しまして……」 「えへん、えへん、ああ、もうそんな話はよそうや」....
空襲警報」より 著者:海野十三
に大きな新聞紙包を抱えている。中からゴロゴロ転がり落ちたのを見れば、なんとそれは木炭だった。 「炭なんか持って来て……お前さん、この暑いのに火を起す気かネ」 ....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
ら始まる。朝寝は禁物、九時から午後三時までの労働である。家へ帰ってもなお心の底へ木炭とパンの屑とが溜っている如く感じる。このこと二週間続くのである。そのへとへと....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
西洋画を勉強するものが必ず行う処の方法として、先ず最初に石膏模型の人像によって、木炭の墨、一色の濃淡によってそれらの物の形と線と面と、光による明暗の差別、空間、....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
お湯に往こう」 と昔は種々のものを持って往ったもので、小さい軽石が有りまして朴木炭、糠袋の大きいのが一つ、小さいのが一つ、其の中に昔は鶯の糞、また烏瓜などを入....
フランダースの犬」より 著者:菊池寛
もありません。ただ、白と黒の使い分けで目にうつるものを描くだけでした。いま、彼が木炭筆で描いたばかりの大きな画は、一人の老人が、倒れた樹に腰を下しているところ、....
淪落の青春」より 著者:坂口安吾
山なのである。 彼の県内にも戦災都市があり、冬は寒い国柄であるから、建築用材、木炭、薪、需要は大いにある。けれどもこんな山奥からでは運賃に食われるから、亭々た....
保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
この鉱泉は渋の色をしていて、味も渋く、万事渋の表現が適している。三吉はこの湯渋と木炭をすりつぶして、これを酢でねると打身骨折の霊薬と称して売りだした。これが意外....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
のである。傍に置いてある電熱器もとかく電力が不調で、今も滅えたようになっている。木炭は殆ど配給がなく、町に出たときコオライトというものを買って来て、臭い煙の出る....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
この外、塩素と炭素との化合物や、ヨウ素と炭素と水素との化合物について研究し、また木炭より黒鉛をつくる研究もやった。 一八二〇年は電気学上特筆すべき事で、すなわ....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
って一俵七円に下り、繭のごときは一貫二円という大下落で、この地方の重要産物である木炭のごときも四貫俵三十銭、二十五銭になってしまい、かつて儀作の副業……農閑期の....
越中劍岳先登記」より 著者:柴崎芳太郎
るような岩窟がある、この窟の中で何年か焚火した事があるものと見え蘚苔に封ぜられた木炭の破片を発見した事である、この外には這松の枯れて石のようになりたる物二、三本....
炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
偶然発見した場合があってもよさそうに思われるが、それが必ず炭焼であるから面白い。木炭がいつの頃から邦人によって用いられたかは明らかでないが、人類がすでに火の用を....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
は相当にひどく、何をやっても疲れ勝ちで遂に初志を貫きかねた。漢口駐屯時代に徐州で木炭中毒にかかり、それ以来、脈搏に結滞を見るようになり、一時は相当に激しいことも....