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木炭紙
「木炭紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木炭紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「火の鳥」より 著者:太宰治
はさちよのコスモスの写生に、めずらしく「優」をくれた。さちよは、不思議であった。
木炭紙を裏返してみると、父の字で、女はやさしくあれ、人間は弱いものをいじめてはい....
「汽笛」より 著者:佐左木俊郎
見詰め続けていると彼女の顔は彫刻的な感じから絵画的なものに変わって行った。汚れた
木炭紙の蒼白《あおじろ》さだ。もはやその眉や髪さえが貞吉には色彩としての働きを持....
「明暗」より 著者:夏目漱石
書いてやったところでとうてい効能《ききめ》はあるまいという気が続いて起った。彼は
木炭紙に似たざらつく厚い紙の余りへ、山羊髯《やぎひげ》を生やした細面《ほそおもて....
「毛の指環」より 著者:宮本百合子
大抵自分の方へつれて来た。一つ机で、由子は方丈記を写した。向い側でお千代ちゃんが
木炭紙へ墨で幾枚も絵を描いた。女の絵であった。 「――お千代ちゃん絵うまいのね」....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
の油絵の基礎としての素描、デッサンは、油絵の基礎工事としてのものであって、即ち、
木炭紙の上へ木炭を以って、石膏の胸像あるいは生きた人体を写生し、その形態、平面、....
「「処女作」より前の処女作」より 著者:宮本百合子
二畳の妙な小室へ引っこんだ。ツルツルの西洋紙を、何枚も菊半截ぐらいの大さに切って
木炭紙へケシの花を自分で描いて表紙とし、桃色の布でとじた。そこへ、筆で毎日何か書....
「行方不明の処女作」より 著者:宮本百合子
妙にツルツルした西洋紙を四六判截ぐらいに切ったものを厚く桃色リボンで綴じ、表紙の
木炭紙にはケシの花か何かを自分で描いた。ペンにインクをつけて書くことは私の時代の....
「作者の言葉(『貧しき人々の群』)」より 著者:宮本百合子
。一九一六年の夏のはじめに書き終ったが、誰に見せようとも思わず、ひとりで綴じて、
木炭紙に自分で色彩を加えた表紙をつけた。けれども、しまっておけなくて、女学校のと....
「千世子(三)」より 著者:宮本百合子
て、 そうでしょうさ! なんか云った。 千世子が気まぐれに時々水彩画を描く
木炭紙を棚から下してそれを四つに切ったのに器用な手つきで炬燵につっぷして居る銀杏....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
目。こんな紙でこの頃の美術学生は勉強しているのですよ。絵具のホワイトもないのよ。
木炭紙と木炭は多賀ちゃんまで動員して探してもらいました。 今日は十五日だからこ....
「炎の人――ゴッホ小伝――」より 著者:三好十郎
ヴィンセントが腰かけていた場所には、同じヴィンセントがイーゼルに立てかけた全紙の
木炭紙に向ってシィヌを写生しているので、瞬間、前場の光景とダブる。 ただヴィンセ....