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木片
「木片〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木片の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
頭《しらがあたま》の、猿のような老婆である。その老婆は、右の手に火をともした松の
木片《きぎれ》を持って、その死骸の一つの顔を覗きこむように眺めていた。髪の毛の長....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
れに鋭利な刃物を打ち込んで、第二十二図に示すように削り屑を飛び出させるとすれば、
木片は矢で示す方向に回転するであろう。 打ち出された削り屑もまた同じ方向に回転....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
された。しかしこれは発見されたというばかりで、発見者が火中から取出そうとして長い
木片を探しに行った遑に、どこかへ行って見えなくなってしまった。手首だけが火中に投....
「ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
灯を落したあたりを手さぐりで探してみた。まず手にあたったのは、柱の切り屑のような
木片だった。のけようと思ってひっぱったが、しっかり天井裏にくっついている。その横....
「海底大陸」より 著者:海野十三
、器械だけが本船の進路にあたる海面をにらんでいるのです。もしその方向にあたって、
木片一つ浮いても、すぐ警報のベルがなるようなしかけになっています。この器械を自動....
「幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
手拭かなんかを、輪のように廻してしっかり縛るんだ。そしてこの手拭の輪の中になにか
木片でも挿し込んで、ギリギリ廻しながら手拭の輪を締めあげるんだ。すると二本の鉄棒....
「恐竜島」より 著者:海野十三
た。体がふわりと浮きあがる。 「あ、痛《いた》……」 頭をごつんとぶっつけた。
木片《もくへん》であった。犬がすぐそばで吠《ほ》えつづけた。玉太郎は完全に正気に....
「怪塔王」より 著者:海野十三
っくりしたのは怪塔王でありました。彼はすばやく腰をかがめて、床のうえにおちていた
木片をつかむがはやいか、天井の高声器めがけて、ぱっとなげつけました。 その
木片....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
方へむけられた。 なるほどへんなものが、波にゆられながら、ぷかぷか浮いている。
木片を井桁にくみあわせた筏のよなものであった。そのうえになにが入っているのか函が....
「太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
檣が折れて空中に舞い上る。煙突が半分ばかり、どこかへ吹きとばされる。何だか真黒い
木片だか鉄板だか知れないものが、無数に空中をヒラヒラ飛んでいる。 「作戦は図に当....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
、俺が鷭撃に行って怪我をした夢を見たか。そうか、分った。夢がどうした、そんな事は
木片でもない。――俺が汝等の手で面へ溝泥を塗られたのは夢じゃないぞ。この赫と開け....
「人造物語」より 著者:海野十三
情けぶかい子であったが、それがために、秘術を教わった。その秘術というは、なんでも
木片をナイフでけずって、小楊子みたいなものを造り、それを叩いて「動け!」というと....
「錦紗」より 著者:犬田卯
っかと紙幣を握っていてくれるであろう。お通は全神経を路上に集中して、ちょっとした
木片、一個の石塊にも眼をそそぐことを忘れず、ずっと自分の歩いた辺を戻って見た。が....
「白い蝶」より 著者:岡田三郎助
取払いになった、伝馬町の牢屋敷の木口を此処へ持って来たとの事で、中には血痕のある
木片なども見た人があるとの談であった、癩病病院に血痕のある木! 誰れしもあまり佳....
「妖怪談」より 著者:井上円了
年の昔のものか知らないという大きな朽ち木がありまして、古老が伝えて言うに、『この
木片を持っておれば、狐につままることはない』と言うのであります。先年、私はこれを....