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木版
「木版〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木版の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
笹山村の慈照寺《じしょうじ》(浄土宗《じょうどしゅう》)は「孝子伝吉物語」と云う
木版の小冊子《しょうさっし》を頒《わか》っている。この「伝吉物語」によれば伝吉は....
「路上」より 著者:芥川竜之介
。が、展覧会と云うと、何ですか、やはり諸君の作品だけを――」
「ええ、近藤さんの
木版画と、花房さんや私《わたし》の油絵と――それから西洋の画の写真版とを陳列しよ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ツーゼール夫人に捧げたホルバインの捧呈文が記され、その次葉に、ホルバインの下図を
木版に移したリュッツェンブルガーの、一五三〇年バーゼルにおける制作を証明する一文....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
云えば、日本では違警罪布告以前で刑事警察の黎明期だ。ちょうど大蘇芳年の血みどろな
木版画が絵草紙屋の店頭を飾っていた邏卒時代なんだが、その頃ドナウヴェルト警察に、....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
しました。それはむかし、キョルンの町にあらわれたふしぎな空中|現象をかいた一枚の
木版刷でした。 「こりゃなかなか古い。」と参事官は、あんがいな掘り出しもので、お....
「「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
数学、地理、歴史、図画、体操などがあることを知った。生理学は教えられなかったが、
木版刷の全体新論や科学衛生論というようなものを見て、前の漢方医の議論や処方を想い....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
し、それには理由があって、以前大陸の東海岸に近いある町で、偶然フローラは、一枚の
木版画で日本という国を知ったのであった。 それには、顔に檜扇を当てた、一人の上....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
るにもまったく金の出どころはない。万策つきて考え出したのが手刷りだ。 辛うじて
木版と半紙を算段して、五十枚か百枚ずつ竹の皮でこすっては、チラシを手刷りした。が....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
らいの時でした。お祭りか何かで、親戚の家へ一人で招ばれてゆきました。 その頃、
木版画や錦絵を並べている店を私共は「絵やはん」と呼んでいました。「絵やはん」の前....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
特に上等というべき物ではない、中にはずいぶん粗悪な日本紙を用いていたのもあって、
木版の印刷の加減で一種のいやな匂いを放つのもあった。しかも番附の匂うときには、そ....
「今日になるまで」より 著者:上村松園
小さい時分から絵を描くのが一番の楽しみでした。四条御幸町の角に吉勘と言って錦絵の
木版画や白描を売っている店がありましたが、使い走りをした時などここで絵を買うて貰....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
せぬ。ですからその屋根の隅々には皆白い旗を立ててありましてその旗には真言の文句を
木版|摺にしてあります。これはチベットのどこへ行っても見ることが出来るので、たと....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
なうものはなかったのである。 為家に『為家集』がある。写本で伝わり、江戸時代の
木版の刊本もあるが、何時頃できたものかよく分らぬ。『為家千首』や『宝治百首』など....
「書を愛して書を持たず」より 著者:小川未明
れに後半期を入れて一ヶ年にしたら、夥しき数に上るでありましょう。この点近代人が、
木版、手摺の昔の出版界時代を幼穉に感ずるのも無理がありません。 しかし、こうし....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
てはならなくなった。看板一つ造るにも、漆はすたれ、ペンキとなり、何を印刷するにも
木版では間に合わぬのみか、洋風の意匠にはつりあわす石版となる。しかし、もと/\わ....