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「木版刷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

木版刷の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
べてその辺に置き並べてある。何一つ飾りの無い、煤けた壁に、石版画の彩色したのや、木版刷の模様のついた暦なぞが貼付けてあるのを見ると、そんな粗末な版画でも何程かこ....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
強して多くの書物を汚損したことであった。 それはとにかく、日本紙に大きな文字を木版刷りにした書物のページに、点々と真紅の不審紙を貼り付けたものの視像を今でもあ....
道標」より 著者:宮本百合子
小包をほどいて、伸子と素子とは、ひっぱり合うようにしてその美しい柿の絵のある和紙木版刷の表紙をもつ天金の本を眺めた。 その小説は日本の中産階級の一人の若い女を....
惜別」より 著者:太宰治
で気にせず、平然とその悪魔の洞穴探検を続けた。学校では、生理の課目は無かったが、木版刷の「全体新論」や「化学衛生論」を読んでみて、支那の医術は、意識的もしくは無....
花物語」より 著者:寺田寅彦
生が出て来て、黙って床の間の本棚から算術の例題集を出してくれる。横に長い黄表紙で木版刷りの古い本であった。「甲乙二人の旅人あり、甲は一時間一里を歩み乙は一里半を....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
屋根裏や、柱に張り残してゆく名札で(それは室に取って迷惑なものかも知れないが)、木版刷、石版刷の千社札に類した人名や登山会の名を記したもので、寸法こそ必ずしも、....
読書の今昔」より 著者:寺田寅彦
、今でも自分を脅かすのである。そのころ福沢翁の著わした「世界国づくし」という和装木版刷りの書物があった。全体が七五調の歌謡体になっているので暗記しやすかった。そ....
物売りの声」より 著者:寺田寅彦
った時代では、こんな粗末な刷り物でも子供には珍しかったのであろう。ずいぶん俗悪な木版刷りではあったが、しかし現代の子供の絵本のあくどい色刷りなどに比較して考える....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
しました。それはむかし、キョルンの町にあらわれたふしぎな空中|現象をかいた一枚の木版刷でした。 「こりゃなかなか古い。」と参事官は、あんがいな掘り出しもので、お....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
い法螺《ほら》を吹き立て広告を出して特産植物誌をもはやらせよう。また一五五九年の木版刷の珍本でピエール・ド・メディヌの航行術が一部ある所も知ってるから、それを買....
「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
数学、地理、歴史、図画、体操などがあることを知った。生理学は教えられなかったが、木版刷の全体新論や科学衛生論というようなものを見て、前の漢方医の議論や処方を想い....
伝通院」より 著者:永井荷風
まうであろう。 始めて六尺横町《ろくしゃくよこちょう》の貸本屋から昔のままなる木版刷《もくはんずり》の『八犬伝《はっけんでん》』を借りて読んだ当時、子供心の私....