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「木登り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

木登りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
愛撫」より 著者:梶井基次郎
なるだろう? おそらく彼は死んでしまうのではなかろうか? いつものように、彼は木登りをしようとする。――できない。人の裾を目がけて跳びかかる。――異《ちが》う....
屋上の狂人」より 著者:菊池寛
島の人は狐がとり憑《つ》いとるいうけれど、俺は合点《がてん》がいかんがなあ。狐が木登りするということはきいたことがないけになあ。 義助 俺もそう思うとんや。俺の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
に旅から帰って来た父の心なぞを知りようもない。学校通いの余暇には、兄は山歩きに、木登りに。弟はまた弟で、榎の実の落ちた裏の竹藪のそばの細道を遊び回るやら、橿鳥の....
トカトントン」より 著者:太宰治
められなくてもいいんです。ただ、走ってみたいのです。無報酬の行為です。幼児の危い木登りには、まだ柿の実を取って食おうという慾がありましたが、このいのちがけのマラ....
大阪を歩く」より 著者:直木三十五
というが、凡そこれ位、常套手段は無い――と思うが、何うも、これは、アメリカ人が、木登り耐久までもして、世界一という比較を誇ろうとする如く、文化の進歩上いい現象な....
黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
ったと考えたらしかった。地上から約六、七十フィートばかり登ったのではあるけれど、木登りの危険は事実もう去ったのだ。 「今度はどっちへ行くんでがす? ウィル旦那」....
少年探偵長」より 著者:海野十三
少年は、身をひるがえすと、かたわらの大きな柿の木に、するするとのぼった。牛丸は、木登りが得意中の得意だった。だから前後の考えもなく、柿の木なんかによじ登ったので....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
銭を百に一つも受け外《はず》すということはないのでありました。それに加うるによく木登りをする、高いところから飛ぶ、広い間を飛び越える、深い水を泳ぐ。天公《てんこ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
なが、それで留めますほどならばの、学校へ行く生徒に、蜻蛉釣るものも居りませねば、木登りをする小僧もない筈――一向に留みませぬよ。 内は内で親たちが、厳しく叱言....
次郎物語」より 著者:下村湖人
父にふさわしい言葉のように思えて来たのである。 次郎は、学校に通い出してから、木登りが達者になり、石投げが上手になった。水泳にかけてはまるで河童同様であった。....
鳶と柿と鶏」より 著者:豊島与志雄
たくて、身体にいけませんね。それで、水泳より山にいって、栗を取る方が面白くなり、木登りは上手になりました。」 「木登りも、その、野心の一つかい。」 「あとで、そ....
家なき子」より 著者:楠山正雄
かった。わたしだってやはり同じことをしたかったと思う。わたしもやはりおもしろ半分木登りをしてみたかった。けれどもわたしの現在の位置の重大なことが、わたしにそんな....
」より 著者:岡本かの子
そうなりかかって居る。眠くて眠くて堪らないのだ。 ――ハンケチ。 京子は子供が木登りする時のような手つきで、延び上って加奈子の耳へ片手で垣を作り、あたりを憚っ....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
愚痴などを言った事のない祖母だけれど、このごろの余りの事に、自分さえなかったら、木登りをしても学問の思いは届こうと、それを繰返していたのであるから。 幸に箸箱....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
いようですが、北の方を引抱えた勢は可かった、が、いかに思っても、十七の娘を負って木登りをした経験は、誰方もおありになりますまい。松の上へ……登れたかって?……飛....