木立[語句情報] » 木立

「木立〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

木立の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
《ほのじろ》い桜の花を捉《とら》えた。桜! オルガンティノは驚いたように、薄暗い木立《こだ》ちの間《あいだ》を見つめた。そこには四五本の棕櫚《しゅろ》の中に、枝....
将軍」より 著者:芥川竜之介
は鞍《くら》の上に、春寒《しゅんかん》の曠野《こうや》を眺めて行った。が、遠い枯木立《かれこだち》や、路ばたに倒れた石敢当《せきかんとう》も、中佐の眼には映らな....
或る女」より 著者:有島武郎
た雲の中に、漆《うるし》よりも色濃くむらむらと立ち騒いでいるのは古い杉《すぎ》の木立《こだ》ちだった。花壇らしい竹垣《たけがき》の中の灌木《かんぼく》の類は枝先....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
荒涼として拡《ひろ》がっていた。眼を遮《さえぎ》るものは葉を落した防風林の細長い木立ちだけだった。ぎらぎらと瞬《またた》く無数の星は空の地《じ》を殊更《ことさ》....
星座」より 著者:有島武郎
弦というより左弦ともいうべきかなり肥った櫛形《くしがた》の月が、川向うの密生した木立の上二段ほどの所に昇っていた。月よりも遠く見える空の奥に、シルラス雲がほのか....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
、まっ白にそそり立つ峠の姿と、その手前の広い雪の野のここかしこにむら立つ針葉樹の木立ちや、薄く炊煙を地になびかしてところどころに立つ惨めな農家、これらの間を鋭い....
」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
、遂には村はずれまで行って、何処かの空地に逃げ込むより外はない。人の目にかからぬ木立の間を索めて身に受けた創を調べ、この寂しい処で、人を怖れる心と、人を憎む心と....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
あったら遠慮なく天狗の頭目に訊ねて置くがよいであろう……。』 やがて古い古い杉木立がぎっしりと全山を蔽いつくして、昼尚お暗い、とてもものすごい所へさしかかりま....
赤いくつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
た。そして踊りながら、暗い森のなかへずんずんはいっていきました。 すると、上の木立のあいだに、なにか光ったものが見えたので、カレンはそれをお月さまではないかと....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
き、花さく熱帯の故国よ。」とカナリヤがうたいました。「わたしはあのみどりしたたる木立と、鏡のような水に枝が影をうつしている静かな入江をほめたたえよう。『沙漠の泉....
小夜啼鳥」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
た。なんでもかまわずどこまでもあるいて行くと、りっぱな林にでました。そこはたかい木立があって、そのむこうに、ふかいみずうみをたたえていました。林をではずれるとす....
旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
泣きたいだけ泣くと、かえって心持がはっきりして来ました。お日さまが、みどりぶかい木立の上に晴ればれとかがやいて、それは「ヨハンネス、そんなにかなしんでばかりいる....
野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ーザが目をさましたとき、お日さまは、もうとうに高い空にのぼっていました。でも高い木立が、あたまの上で枝をいっぱいひろげていましたから、それをみることができません....
初雪」より 著者:秋田滋
地は真ッ白な雪に埋もれてしまった。ある夕がた、真ッ黒な鴉の群がうずを巻きながら、木立のまわりに、雲のように拡がってゆくのを眺めていると、彼女はわけもなく泣けて来....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
紺に変っていった。斜めになった陽の光は、河岸のあちこちにそば立つ断崖のいただきの木立のあたりにためらい、岩壁の濃い鼠色と紫色とをいっそう深くきわだたせていた。小....