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木端
「木端〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木端の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
混乱を与えそうでしかたがなかった。園はまた父の手紙を見つめたまま、右手の指で机の
木端《こば》を敲《たた》きながら長く考えつづけた。
「とにかく今夜すぐ帰ろう」
....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
午前のうち、新吉は二、三度外へ出てはせかせかと帰って来た。小僧と同じように塩や、
木端を得意先へ配って歩いた。岡持を肩へかけて、少しばかりの醤油や酒をも持ち廻った....
「冬日記」より 著者:原民喜
忽《たちま》ち轟音《ごうおん》とともに自動車が猛煙につつまれた。人々はことごとく
木端微塵《こっぱみじん》になっている。それなのに、彼だけがひとり不思議に助かって....
「鎮魂歌」より 著者:原民喜
がす。みんなどうして生きて行っているのかまるで僕には見当がつかない。みんな人間は
木端微塵《こっぱみじん》にされたガラスのようだ。世界は割れている。人類よ、人類よ....
「禰宜様宮田」より 著者:宮本百合子
わな、おっこったら何じょうするだ……」 「やめろっちぇな、 おっこったらはあ、
木端微塵《こっぱみじん》になっちまうわ」 「なあに大丈夫、 こんな餓鬼が一匹や....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ません」 お絹は、慣れない手つきをして、炉のあたりに夥《おびただ》しく積まれた
木端《こっぱ》や薪を取って火の中へくべました。 柱に凭《もた》れて、うつらうつ....
「夏遠き山」より 著者:宮本百合子
は殆ど一日置き位に雨が降る。雨の日は広い宿屋じゅうがひっそりして、廊下に出ると、
木端《こば》葺きの湯殿の屋根から白く湯気の立ち騰るのや崖下の渡廊下を溜塗《ためぬ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
郎を引き上げたな。うむ、土地のやつらあ俺を憚《はば》かって手が着けられねえのを、
木端《こっぱ》役人め、出しゃばりやがったな、面白《おもしれ》え、どうするか見てい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
到してしまった次第です。
善良なる村の紳士淑女も、秀才も、涎《よだれ》くりも、
木端微塵《こっぱみじん》でありました。周章狼狽《しゅうしょうろうばい》、右往左往....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
っちゃって、鼻唄まじりで引寄せてはひっぱたき、引寄せてはひっぱたき、幕府の兵隊を
木端微塵《こっぱみじん》にやっつけてしまうというじゃねえか、戦争にならねえ、江戸....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ようとも試みないで、霧の中を出て、霧の中を平気で漂うがままに、あえて正面衝突も、
木端微塵《こっぱみじん》も辞することなき、無謀千万の行き方でやって来るものですか....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
神楽《かぐら》で、上にちょいとのっかっているだけで、すこしひどく吹きつけると忽ち
木端微塵である。科学的精神の波の伝統のうすい日本では、情操としてまで、髄の髄の欲....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
出して言わないが、その時もう二つの眼が暗くなって、耳朶の中がガアンとして、全身が
木端微塵に飛び散ったように覚えた。 当時の影響からいうと最も大影響を受けたのは....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
生ス、粽皮アリテ木上ヲ包ム、二旬ニシテ一タビ剥ゲバ、転ジテ復タ上ニ生ズ、三月ノ間
木端ニ数黄苞ヲ発ス、苞中ノ細子ハ列ヲ成ス、即チ花ナリ、穂亦黄白色、実ヲ結ブ大サ豆....
「砕けた瓦」より 著者:種田山頭火
に曝されてべそを掻いている。 既に砕けた瓦はこなごなに砕かれなければならない。
木端微塵《こっぱみじん》砕き尽されなければならない。砕けた瓦が更に堅い瓦となるた....