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木組
「木組〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木組の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
づ》いたはずれに、低い垣根に仕切られた広々した庭が、先ずお島の目を惹《ひ》いた。
木組などの繊細《かぼそ》いその家は、まだ木香《きが》のとれないくらいの新建《しん....
「乱世」より 著者:菊池寛
る。 「うむ! 家を建てるのかな。が、こんな田圃の中にぽっつり建てるわけはない。
木組をしてからどこかへ運んで行くのだろう」 彼は、心のうちでそんなことを考えな....
「道標」より 著者:宮本百合子
天井から落ちる光線が、うっすり埃をかぶった中二階の手すりや、その辺のがんじょうな
木組みを見せている。いつ舞いこんだか、床にマロニエの枯葉がころがっている。
そ....
「旅愁」より 著者:横光利一
りの風習や気質には珍らしく西洋の影響を受けたものは殆どなかった。矢代は真黒な太い
木組の浴槽に浸ったり、暇にまかせてその地の歴史を検べたりしながら身を休めた。
....
「二十三番地」より 著者:宮本百合子
見ない様な振りをして見て居ると、此処で、植木屋が棒をたてる穴を掘ったり、小屋の
木組みをしたりして居るのが如何にも気になってたまらないらしい。 それでも、弟は....
「書斎を中心にした家」より 著者:宮本百合子
は――書斎は、北向でありたい。広い弓形の窓をとり、勿論洋風で、周囲にがっしりした
木組みの書棚。壁は暗緑色の壁紙、天井壁の上部は純白、入口は小さくし、一歩其中に踏....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
。往来をとぼとぼあるきあるき、なおよくそこらの家のようすをみると、たいていの家は
木組の小屋で、なかにはわら屋根の家もありました。 「いや、どうもへんな気分でしょ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
題はその疑問点をこの首切り刃のまわりに置く。断頭台は一の幻影である。それは一個の
木組《きぐみ》ではない、一個の機械ではない、木材と鉄と綱とで作られた無生の仕掛け....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
あげられ、浄書され、送達される。そして翌日夜明け頃から、グレーヴの広場には一つの
木組みが釘づけされる音が聞こえ、パリの四つ辻には呼売人が嗄《しわが》れた声をはり....
「日記」より 著者:宮本百合子
六丁目に宵火事のあったあとを見に行った。往来が水でびしゃびしゃになり、やけた家の
木組みが黒くぼんやり、そこだけ真暗な空に見える。こちら側に出した荷物がころがり、....
「少年の食物」より 著者:木村荘八
があったものでしょうが見たいものです。――この叔父はなお細工ものが上手で、小さな
木組をうまく扱って、そっくり二階建ての家などをこしらえていました。私はそれに真似....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
海水をすくうかと思われたほど、激しい震動を食ったのであった。 突然。 船体の
木組が、皆バラバラになったような音がした。 と思うと――舳をつッかけてきた一|....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
半兵衛重治の病は急に篤いと沙汰された。彼の陣屋の幕は寒々と夕風に揺れ、その宵、丸
木組の病屋のうちには、秀吉も枕頭に詰め、官兵衛も昨夜以来、詰めきって、あらゆる看....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
いけ!』である。半泣きだった。『南無三宝』私はどうにでもなれと腹をきめ目もくらむ
木組みに登って、命がけで書き上げたが、当然の結果として、ひどくゆがんで変てこな字....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
て、其上から跳び込んだという俄造りのかけはしは、一町とは離れぬ上手に、太くもない
木組みがふらふらになって残っていた。其下は青藍色の迅流が対岸に斜に横たわる大岩床....