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木通
「木通〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木通の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
遣《や》って、亀有の渡《わたし》を越して新宿《にいじゅく》泊りとしますから、四ツ
木通りへ出る方が近いから、吾妻橋を渡って小梅へ遣ってくんねえ」
駕籠屋「畏《か....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
ったのであった。吉原へ行けばなんでも勝手なものが食える――それを知りながら彼は並
木通りの小さな茶漬屋の暖簾《のれん》をくぐった。吉原へ行こうか、行くまいか、分別....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
御切替えととなえて、この分は追い追いと金に替えて与えた。彼が先祖の一人の筆で、材
木通用の跡を記しつけた御免荷物の明細書によると、毎年二百駄ずつの檜、椹の類は馬籠....
「ヴォルフの世界」より 著者:宮本百合子
からその光景を俯瞰している。近い屋根屋根の波の面白さ、それから段々と低くなって並
木通へ視線が導かれ、そこに在る点景の白い婦人の姿を中心として一層ひろい海面へのび....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
の門に達する広い並木の通りがあって、美しい建築物が軒をならべていた。いわばこの並
木通りは富と流行の集合地である。宮殿のような高楼の階下は、贅沢品を売りつけようと....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ごくまれで、月に多くて一、二回にすぎなかった。
マリユスの楽しみは、郊外の並み
木通りや、練兵場や、リュクサンブールの園の最も人の少ない道などを、ひとりで長く散....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
ムの言ったことをお聞きだったろう。あの人がおまえをある日パリのブルチュイー町の並
木通りで拾って来たのだよ。二月の朝早くのことで、あの人が仕事に出かけようとすると....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
コを経由するはずだけど、旅客機でなら、シアトルまで、わずかの時間で行けるのよ。並
木通りの『アラミス』というレストラン、ごぞんじ? モデル・クラブの事務所の近く…....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
家を締切って八時近くに彼等は家を出た。彼は書きかけの原稿やペンやインキなど入れた
木通の籠を持ち、尋常二年生の彼の長男は書籍や学校道具を入れた鞄を肩へかけて、袴を....
「アケビ」より 著者:牧野富太郎
の葉とまぜて漬けたものである。 従来わが邦の学者は、わがあけびを支那の通草一名
木通に当てていた。ゆえにあけびが薬用植物の一つになっていた。しかるに近頃の研究で....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
なく、果物もない、この土地の子供は気の毒なものだ。夏の野に木苺をもとめ、秋の山に
木通や葡萄の蔓をたずねて、淡い淡い甘味に満足しているのである。 家々の生活は簡....
「甘話休題」より 著者:古川緑波
るが、これはアメリカ式で、ゴツイもの。 ケテルさんの経営するデリケテッセン(並
木通り)にも、終戦直後から、ドイツ流のミートパイがあるが、これは菓子というよりも....
「はつ恋」より 著者:神西清
鞍の下の馬までが感じ入って、乗り手を誇りとしているように見えた。わたしたちは、並
木通りを片っぱしから乗り尽して、処女が原もしばらく乗り回し、垣根も幾つか跳び越し....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
小路のうちのどこにももとめることが出来なかったのである。銀行といえば、手近に、並
木通りの浅草銀行(後に豊国銀行)の古く存在するばかりだったのである。――「大風呂....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
い砂地を行くので、伸び放題に蔓を伸して絡み合い縺れ合いながら、太い綱を張り渡した
木通や海老蔓や野萄葡などが、鋭い鎌の刃先に懸けられて、気持よく左右に薙ぎ倒されて....