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木隠れ
「木隠れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木隠れの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黴」より 著者:徳田秋声
の稲荷へ出かけて行った。通りの賑やかなのに、ここは広々した境内がシンとして、遠い
木隠れに金燈籠の光がぼんやり光っていた。鈴を引くと、じゃらんじゃらんという音が、....
「源氏物語」より 著者:紫式部
言う。 「笹《ささ》分けば人や咎《とが》めんいつとなく駒|馴《な》らすめる森の
木隠れ あなたの所はさしさわりが多いからうっかり行けない」 こう言って、立....
「英彦山に登る」より 著者:杉田久女
た。 奉幣殿の上からは奥深い樹海の道で、すぐ目の前に見えていた遍路たちもいつか
木隠れに遠ざかってしまうと、全くの無人境を私は一歩々々孤りで辿るのである。 前....
「夢のお七」より 著者:岡本綺堂
れらは笑った。そうしてそのまま立去ってしまった。 治三郎はほっとした。頼朝の伏
木隠れというのも恐らくこうであったろう。彼等は鶏の飛び出したのに油断して、碌々に....
「紅梅の客」より 著者:吉川英治
姜か何ぞのようにしんまでほの紅い。 薄紅梅も薄さによっては悪くないが、春さきの
木隠れに、あの黒緋とも見えまた陽に映えるとその鮮紅を艶めいてみせるようなのが――....