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木魚
「木魚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木魚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ゆうべか今朝あたり、ここらを掻きまわした奴があるに相違ねえ」 半七はそこにある
木魚《もくぎょ》を叩いてみた。 「この寺じゃあ
木魚を叩きますかえ」と、彼は友吉に....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
らのことをモータルと呼んでいますから。 顔蔽いせる者 それはほんとうじゃ。禽獣草
木魚介の族と同じく死ぬるものじゃ。 人間 あなたはどなたでございますか。その威力....
「天馬」より 著者:金史良
々が唱え合ってでもいるような、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経という念仏が、太鼓や
木魚の音にのって海のように彼の周囲に拡がってしまった。彼はその中を恰も泳ぎもがき....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
本堂で兄は夕べの勤行をしていた時、いつもの如く彼女もその後ろに坐っていた。灯明が
木魚や欄間の天人を照らしていた。しばらくするうちに何だか兄は後ろの方が変にひっそ....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
盆が来ると寺の住職が大礼服によって出張する。線香の煙と、すず虫と、近松と、お経と
木魚の音が新秋の私を教育してくれた。と同時に私は略画の情趣を知らぬ間に感得してし....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
棚がふさわしい。いたずらものが勝手に出入りをしそうな虫くい棚の上に、さっきから古
木魚が一つあった。音も、形も馴染のものだが、仏具だから、俗家の小県は幼いいたずら....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
あるものを。―― ――実は、銑吉は、これより先き、麓の西明寺の庫裡の棚では、大
木魚の下に敷かれた、女持の提紙入を見たし、続いて、准胝観音の御廚子の前に、菩薩が....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
の赤い、真黒な「くろも」というものを着附けていたので目障りではなかった。あるいは
木魚や鐘を使ったり、またバタバタ音を立てるような種々の形容楽器に苦心して、劇にな....
「呉秀三先生」より 著者:斎藤茂吉
息を読み泣きました。この画はグレーといふ田舎の景色なり御病床の御慰みまで差上候。
木魚生」とあり、それから「只今は帰りがけに巴里によりて遊居候その内に帰朝致|久振....
「雨」より 著者:織田作之助
も、亀の子を掴まえるのは上手だと豹一は力んだが、空しくあたりはすっかり夜が落ち、
木魚の音を悲しく聞いた。亀の子がなかなか掴まらぬのですっかり自信をなくし、胸が苦....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
職に取りかかった。 しずかであった。 物さびしい。 ポク、ポク、ポク、と、
木魚の音。…… 夕暮れがヒタヒタと逼って来た。 隣りの部屋に女房がいた。昔は....
「五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
或る夜秀吉はお伽衆を集め、天狗俳諧をやっていた。 刀売おどろいて見し刄傷沙汰
木魚打つ南無阿弥陀仏新左殿 南無三宝夜はふけまさる浪士なり 京つくし野を馬曳きて....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
で、昔は小さい瓢箪を使ったといわれます。ひどくひっかかりそうなのは好まないので、
木魚などは多くもない採集の中にも三つ四つあったでしょう。その他|達磨は、堆朱のも....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
、廊下鳶をして障子の隙から窃と覗いて見たら、デクデク肥った男が三枚も蒲団を重ねて
木魚然と安座をかいて納まり返っていたと笑っていた。また或る人たちが下司な河岸遊び....
「雨」より 著者:織田作之助
れゝば、池の中へどぶんとはいっても掴えたい位になった。周囲りはすっかり暗くなり、
木魚の音が悲しい程単調に繰りかえされていた。ふと、自分を呼ぶ声に顔をあげると、夕....