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未
「未〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
未の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
き》松浦《まつうら》の屋敷の上へ陰々と蔽いかかったまま、月の出らしい雲のけはいは
未《いまだ》に少しも見えませんでした。私は巻煙草に火をつけた後で、『それから?』....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
た頃、オルガンティノは失心の底から、やっと意識を恢復した。彼の耳には神々の声が、
未だに鳴り響いているようだった。が、あたりを見廻すと、人音《ひとおと》も聞えない....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ょう。この聖徒の我々に残した『伝説』という本を読んでごらんなさい。この聖徒も自殺
未遂者だったことは聖徒自身告白しています。」
僕はちょっと憂鬱《ゆううつ》にな....
「彼」より 著者:芥川竜之介
った。が、僕等は言い合せたように少しもその気もちを口にしなかった。彼は、――僕は
未《いま》だに覚えている。彼はただ道に沿うた建仁寺垣《けんにんじがき》に指を触《....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
》しながら、勇んで兵衛の参詣を待った。
しかしかれこれ午《ひる》近くなっても、
未《いまだ》に兵衛は見えなかった。喜三郎はいら立って、さりげなく彼の参詣の有無を....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
った。早水藤左衛門《はやみとうざえもん》は、下《しも》の間《ま》へ話しに行って、
未《いまだ》にここへ帰らない。あとには、吉田忠左衛門《よしだちゅうざえもん》、原....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
かしら。」
洋一ももう茶を飲んでいた。この四月以来|市場《しじょう》には、前代
未聞《ぜんだいみもん》だと云う恐慌《きょうこう》が来ている。現に賢造の店などでも....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
めに格別非難を招かずにすんだ。いや、非難どころではない。上役《うわやく》や同僚は
未亡人《びぼうじん》常子にいずれも深い同情を表《ひょう》した。
同仁《どうじん....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
った。けれども僕等は上総《かずさ》の海に、――と言うよりもむしろ暮れかかった夏に
未練《みれん》を持っていたのだった。
海には僕等の来た頃《ころ》は勿論《もちろ....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
た。………
鏡花《きょうか》の小説は死んではいない。少くとも東京の魚河岸には、
未《いまだ》にあの通りの事件も起るのである。
しかし洋食屋の外《そと》へ出た時....
「鴨猟」より 著者:芥川竜之介
大町先生に最後にお目にかゝったのは、大正十三年の正月に、小杉
未醒、神代種亮、石川寅吉の諸君と品川沖へ鴨猟に往った時である。何でも朝早く本所の....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
白金布の蝙蝠傘あるいは杖にしあるいは日を除け、道々も道中の気遣いを故郷の恋しさと
未来の大望とか悲しみ悦び憂いをかわるがわる胸中に往来したれば、山川の景色も目には....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
わち一八一六年の生石灰の研究を振り出しに、同六〇年より六二年の頃に研究して結果の
未定に終った磁気と重力との関係、並びに磁気と光との関係に終る。この間に発表した論....
「寡婦」より 著者:秋田滋
は浮んで来なかった。 この遊びももう止めにしようとしていた時である、先刻から、
未婚の女でとおして来た年老いた伯母の手を弄ぶともなく弄んでいた一人の若い女が、金....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
いな新婚夫婦のようであり、葱のソースがたっぷりとかけてある。食用豚を見ると、彼は
未来のベーコンの滑らかな肌が彫りだされているように思ったし、汁の多い、風味のよい....