未だしも[語句情報] »
未だしも
「未だしも〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
未だしもの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
がしていたので。 多鶴子は莫迦にされているような気がした。無躾に質問される方が
未だしもだと、思うぐらいであった。多鶴子はふっと顔をそむけて、窓の外を見た。道頓....
「浮浪漫語」より 著者:辻潤
産も、知識も腕力も美貌も技能もなんにもない男だ――それでもせめて年でも若いなら、
未だしも最早不惑の年に手が届きそうになっている。それにも拘らず尚一ツ、若く美しく....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
き明して宝を取り出す道を開いたのが、私の密旨の一部です、一部だけでも仕遂げたのは
未だしもの幸いゆえ、之を父上と貴方とへの万一の御恩返しと致します」斯う云って未練....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
あった。ところが、それに必要な水と毛髪とが、カルデア古呪文の中に隠されていたのは
未だしもの事で、より以上の驚きと云うのは、ほかにあったのだ。それは、その装置を力....
「一本の花」より 著者:宮本百合子
のある、右と左と少しちんばなような、印象的な眼で笑いかけた。 「念を押すところが
未だしも愛すべきですね。『姦《かしま》し』に一つ足りないなんてもの、まあこちらか....
「廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
迫していたらしい。生きていれば死罪又は獄門の罪人であるから、女の手に葬られたのは
未だしもの仕合せであるかも知れない。 千生は自分の不心得から母が殺されるように....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
れがばれたものだから逃げ出したのと、有った事か無い事か知らんが罵詈讒謗を始めたは
未だしも、仕舞には弟が非常に怒って兄をぶん撲る。大きな石を投げ付けるという始末。....