未了[語句情報] » 未了

「未了〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

未了の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幻影の盾」より 著者:夏目漱石
眼《まなこ》があって重なり合っている様な光りと深さとが見える。酒の味に命を失い、未了の恋に命を失いつつある彼は来《きた》るべき戦場にもまた命を失うだろうか。彼は....
仇討三態」より 著者:菊池寛
ども、惟念の念頭からは、諸々の妄念が、洗わるるごとくに消えて行った。心事は元より未了であったけれども、心澄み、気冴えた暁天の座などには、仏種子が知らず知らず増長....
賈后と小吏」より 著者:田中貢太郎
この衣裳は仙妃からもらいました」 青年は老嫗に伴れて往かれて仙妃に逢い、仙妃と未了縁を全うして衣裳をもらって帰ってきたことを細ごまと話した。すると問官が訊いた....
一つの思考実験」より 著者:寺田寅彦
実験を他人にすすめたいためにまず自身でそれを試みてみようと思い立った。その実験は未了でその結果は未成品に過ぎないが、それにもかかわらずその大要をしるしてみたいと....
女性の歴史の七十四年」より 著者:宮本百合子
もりかえされて、ともかく衆議院では可決されるところ迄こぎつけたが、貴族院では審議未了となり、全国町村長会議では、婦人公民権案に反対を決議しているというのは、実に....
一九五〇年の殺人」より 著者:海野十三
斜めだ。さっき総監からイヤな言葉を抛げつけられたのだ、「君のところには、取り立て未了の罰金がすこぶる多くて責任額にも達しないじゃないか。あまり成績が悪いと気の毒....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
ようだが(事実列挙主義ならば承知するという政党? もある)、衆議院の大勢は、審議未了で握り潰す方針をとった。うっかり友人に手紙を書いたり話しをしたりすると、それ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いさく》を、千代田の城の大奥まで入れてあるらしい神尾の口吻《くちぶり》には、真偽未了ながら、その進行の存外深刻なのに恐怖を抱く程度で、呆れたものもあります。 「....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ころと切りはなしては居ないと思います。 勉学の方三冊目にかかっています。課程が未了のうちそちらへの面会云々のこと。私には、三日の手紙を見ていらっしゃらないこと....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
となるを甘んずるも 情は深くして豈意中の人を忘れん 玉蕭幸ひに同名字あつて 当年未了の因を補ひ得たり 犬川荘助 忠胆義肝|匹儔稀なり 誰か知らん奴隷そ....
探偵小説壇の諸傾向」より 著者:平林初之輔
うな場合もある。どこかに鋭いものをもっていそうな感じがするが、未成品である。踏査未了の鉱脈のようなもので、はたしてそれが金鉱であるか銅鉱であるかは今のところ私に....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
りの男であった。 何処やらで滝の音が聞えて、石燕が窟の前を掠めて飛んだ。男は燃未了の薪を把って、鳥を目がけて礑と打つと、実に眼にも止らぬ早業で、一羽の石燕は打....