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未分
「未分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
未分の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
余はこの範囲は必ずしも一注意の下にかぎらぬと思う。我々は少しの思想も交えず、主客
未分の状態に注意を転じて行くことができるのである。たとえば一生懸命に断岸を攀《よ....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
訳したものだそうだ。それと同じような意味を父の敬蔵は老荘の思想から採って、「渾沌
未分の境涯」だといつも小初に説明していた。 瞼に水の衝動が少くなると小初は水中....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
、罪悪という意義がはなはだ認識論的の色彩を帯びていることである。氏の天国とは主客
未分以前の純粋経験の状態をいうのである。この認識の絶対境においては、物とわれとの....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
れば目ざましいほど、そのあてどない生命力の燃焼のかげは濃い頽廃に息づいた。「渾沌
未分」にしろ、「やがて五月に」にしろ「母子叙情」においてさえも。 このように、....
「科学論」より 著者:戸坂潤
いようという提案を採用するならば*(Ars ― Art ― Kunst)とどれ程
未分な又は混淆した状態にあったかを示している。 * 文献学 Philologie....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
らないのは、存在が何であるか――例えば物質であるか精神であるかそれとも両者の合一
未分のものであるか等々――ではなくて、どう考えたならば存在というものを考えること....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
云わば Real-Idealismus = Ideal-Realismus、主客
未分の直接経験から出発すると称する各種のマッハ主義其の他も亦、一種の主観優位説(....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
も偏頗で一面的な真理を含んでいるに過ぎないと云っている。之に反して博士自身は主客
未分の状態を想定して、そこから哲学は出発せねばならぬと主張する。 博士自身の立....
「親鸞」より 著者:三木清
かえって部分的でなければならぬ。したがってその場合、自覚的なわれよりもむしろ主客
未分の、したがって無意識的な、無自覚的なわれが、したがって知的な、人間的なわれよ....
「日本の頭脳調べ」より 著者:戸坂潤
いうもので、要点はホールデンの思想を受け継いだものだろう。併し実在の真の姿は主客
未分で、主観を含まない客観は自然と雖もあり得ないというようなことを云う時、博士の....