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未完成
「未完成〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
未完成の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
のは、遺憾である。
自分は「羅生門」以前にも、幾つかの短篇を書いていた。恐らく
未完成の作をも加えたら、この集に入れたものの二倍には、上っていた事であろう。当時....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
かりしていて恐縮ですが。」
馬琴は、絵を眺めながら、つぶやくように礼を言った。
未完成のままになっている彼の仕事のことが、この時彼の心の底に、なぜかふとひらめい....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
閣下の目が下の方に下がってきたとき、彼は思わずにが笑いをした。そこに人間として
未完成な部分を発見したが故だった。 「――ではちょっとご説明いたします。この部屋....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
しこれを完全に遂行するためには、演出者のほうでも仕事の途中でせりふを書直したり、
未完成のシナリオで仕事にかかったりすることをやめなければいけない。 (これは秘密....
「顔の美について」より 著者:伊丹万作
つき、今よりはずつと安定感を得てくるに相違ない。 だから私は鏡を見て自分の顔の
未完成さを悟るごとに、自分の死期はまだまだ遠いと思つて安心するのである。....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
の件は何度|訊いても変った返事は出来ぬよ。ルーズベルト君。一体共軛回転弾の発明は
未完成でな、起動法は考え出したが、停止法はまだ考え出さんのじゃ。じゃから処置なし....
「火星兵団」より 著者:海野十三
は失礼ですが、ほんとうですか」
「全く失礼なことをいう奴じゃ。家族のない人間は、
未完成というか、感心出来ないよ。わしには家族があって、ちゃんと地球の上に住んでい....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
とで、その作用の跡は今も明白に残っていて、その顔や体はまるで薄いガラス越しに見た
未完成のスケッチのように醜くなっていた。その顳※の上や、両眼の下や、両頬の窪みに....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
かせていた。僕はこの庭を眺めながら、遠い松林の中に焼いた何冊かのノオト・ブックや
未完成の戯曲を思い出した。それからペンをとり上げると、もう一度新らしい小説を書き....
「暗号数字」より 著者:海野十三
マダ」撞球場内ノ世界撞球選手「ジョナソン氏」ノポスターノ裏。 カフス釦ニ星印アリ
未完成の割り算 円タクの中で、帆村はノートの中をしきりと覗きながら、頭をひねる....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
馬琴は忠臣孝子よりは悪漢淫婦を描くにヨリ以上の老熟を示しておる。『美少年録』が(
未完成ではあるが)代表作の一つである『弓張月』よりもかえって成功しているはその一....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
大体は惣て旧稿に由る。 二葉亭が明治二十二年頃自ら手録した生いたちの記がある。
未完成の断片であるが、その幼時を知るにはこれに如くものはなかろう。曰く、 余は....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
どの作とも思っていなかった。 正直にいったら『浮雲』も『其面影』も『平凡』も皆
未完成の出来損ないである。あの三作で文人としての名を残すのは仮令文人たるを屑しと....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
は、その時慎太郎さんに教わった。慎太郎さんもあの山は大好きだといった。 この、
未完成の白馬登山を最後として、私は長いこと山に登らなかった。間もなく私の外国生活....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ずや急速に東亜の大同を実現するであろう。現下の事変はその陣痛である。 これらの
未完成の四集団は既にいわゆる民主主義陣営と枢軸陣営の二大分野に分れ、ソ連は巧みに....