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「未成〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

未成の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
校正後に」より 著者:芥川竜之介
非難する人がある。しかし僕は、小さくとも完成品を作りたいと思っている。芸術の境に未成品はない。大いなる完成品に至る途《みち》は、小なる完成品あるのみである。流行....
老妓抄」より 著者:岡本かの子
とにかけて、芸妓たちに勝越そうとする態度を露骨に見せたりした。 そういう場合、未成熟《なま》の娘の心身から、利かん気を僅かに絞り出す、病鶏のささ身ほどの肉感的....
若杉裁判長」より 著者:菊池寛
の少年が、轟々たる世評のうちに、公判に付せられたのは申すまでもありません。全体、未成年者でもあるし、微罪不検挙になるはずであったのですが、この少年が、癇癪玉でも....
弓町より」より 著者:石川啄木
は自分自身の卑怯《ひきょう》に烈しい反感を感じた。この反感の反感から、私は、まだ未成品であったためにいろいろの批議を免《まぬが》れなかった口語詩に対して、人以上....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
絵画など――ことに絵画はかれをして後世永久の名を残さしめた物だが、ほとんどすべて未成品だ――を平気で、あせることなくやっている間に、後進または弟子であってまた対....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
、 「どうも弱いので、これは中学だけで、よさせましてな」 と云ったが、格別息子の未成熟に心を傷めたり、ひけ目を感じている様子も見せず、普通な大きい声だった。それ....
近時政論考」より 著者:陸羯南
経済論派 (四)法学論派 〔旧〕 法学論派 (五)国民論派 〔新〕未成 (七)保守論派 〔新〕 未成 (八)自治論派 〔新〕┐ ....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
奈良を散策したことはやはり不真面目。それに、私は喫煙するようになっていた。これは未成年であるから、最も法律にふれる位の問題。私の今までの行動は、客観的に考えれば....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
ン、いゝねえ。アタクシも一口、マスター、オタノオします、ヘエ」 「君はダメだよ。未成年者ぢや、警察が相手にしやしないから」 「でも、マスター、アタクシも支配人の....
行雲流水」より 著者:坂口安吾
まだ十八。普通なら、まだ女学生にすぎない発育途上の小娘であった。その姿態にはまだ未成熟なものが多く翳を残しており、お乳とお尻がにわかにムッチリと精気をこめて張り....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
一切の競技迄白眼視される事になる。分けても青少年への影響は憂慮されるものがあり、未成年者入場禁止或は競技券禁止等も研究問題で、すべてこれらは国会の議題として充分....
妖婦」より 著者:織田作之助
腕に抱かれた。その翌朝、警察の手が廻って錦町署に留置された。検事局へ廻されたが、未成年者だというので釈放され、父親の手に渡された。 そんな事があってみれば、両....
夜の構図」より 著者:織田作之助
男がじっとこちらを見つめているのが眼にはいった。信吉はその方を指した。 「あら、未成年者喫煙の図を見られちゃった。失礼ね。あの人」 蓮ッ葉に言って、笑ったが、....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
常用語を消化して全く文章離れがしていたが、美妙のはマダ在来の文章型を脱し切れない未成品であった。美妙の功労を十分認めるとしても、また創始者たる名誉は二人の中のド....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
着」は決して見出されなかったろう。 二葉亭は失敗の英雄であった。小説家としては未成の巨人であった。事業家としてドレほどの手腕があったかは疑問であるが、事を侶に....