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「未明〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

未明の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
将軍」より 著者:芥川竜之介
一 白襷隊 明治三十七年十一月二十六日の未明だった。第×師団第×聯隊の白襷隊《しろだすきたい》は、松樹山《しょうじゅざん....
仇討三態」より 著者:菊池寛
知らせをきくと、涙をこぼして嬉しがった。兄弟は、その夜のうちに大坂を立って、翌朝未明に京へ入った。 が、翌朝、弟が敵の家の様子を探るため、その家の前を通ったと....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
て可能であろうか。これに対する答はおよそ次のように言われるであろう。文化の最初の未明時代における人間は、もともと家族から発達したいわゆる種族の小さな範囲内に生活....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
襲より二日後で、ピッチをあげている。今度は風が強く、全く利敵風であった。 ◯十日未明の大空襲で、東京は焼死、水死等がたいへん多く、震災のときと同じことをくりかえ....
臨終まで」より 著者:梶井久
、荒々しい人だ」斯んな事を言う内にも段々と息苦しく成るばかりです。 二十二日は未明より医師が来て注射。午後また注射。終日酸素吸入の連続。如何にしても眠れない。....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
寸先もわからぬ濃霧である。 『川中島五度合戦記』に「越後陣所ヨリ草刈ドモ二三十人未明ヨリ出デカケマハリ云々」とあるは、天文二十三年のこととして出ているが、それは....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
う」と。 信長はあっさり答えた。「昔から籠城して運の開けたためしはない。明日は未明に鳴海表に出動して、我死ぬか彼殺すかの決戦をするのみだ」と。之を聞いた森三左....
応仁の乱」より 著者:菊池寛
もの大伽藍も焼けて、煙姻高く昇るのを望見するや、西軍は一挙に進撃した。此の決戦は未明から黄昏まで続いたけれど勝敗決せず、疲れ果てて両軍相共に退いた。此の日の死骸....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に斯う云う記述があるのです。――予の湖畔に於ける狩猟中に、朝食のため土人の一人が未明|羚羊猟をせり。然るに、クラーレ毒矢にて射倒したる一匹を、捕獲したる鬣狗の檻....
壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
てはとても行来は出来ぬのであった。 勝成裕及び立花直芳の一行十五人は、入折戸を未明に出立して、路なき処を滅茶滅茶に進んで行った。谷川を徒歩わたりし、岩山をよじ....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
一 日本留学生小田島春作は女友イベットに呼び寄せられ、前夜|晩く巴里を発ち、未明にドーヴィル、ノルマンジーホテルに着いた。此処は巴里から自動車で二時間余で着....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
はタクツカという村に泊りました。十二月二十日は前夜来大分に雪が降りましたので朝|未明に雪を踏み分けながら川に沿うて東南にのぼって参りますとブラマプトラ川の川洲―....
西航日録」より 著者:井上円了
て馬関に上陸し、泉氏の宅にて丘道徹氏および山名、西尾等の諸氏に会す。 二十一日未明、門司解纜。海上風波あり。西航五百里、シャンハイ河口なる呉淞に達せしは二十二....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
いて航進すること前日のごとし。小嶼を波間に見ること数回なり。 二十八日、快晴。未明、タウンズビル湾前の島陰に投錨す。八時半、箱形の小汽船に移り、行くこと四マイ....
青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
は顔を見合せたまま、黙っていた。山本は言葉を続けて、 「杉村さん、川口さんは今朝未明に入院したのだそうですよ」 「えッ、何だって?」 杉村は吃驚して訊き返した....