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「未決〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

未決の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
娘は暗室のカーテンへ素早い視線を送っていた。 「お父さんは……?」 「監獄……。未決に……」 はいっているのだと、ケロリとした顔で言ったが、ふと声を弾ませると....
自叙伝」より 著者:大杉栄
は本当に礼ちゃんだったので、その市民大会のすぐあとで兇徒聚集という恐ろしい罪名で未決監に入れられた時に、礼ちゃんが僕の留守宅に見舞いに来てくれたそうだ。その頃僕....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
規則違反というような名をつけられて、警察に一晩、警視庁に一晩とめられて、三日目に未決監のプリゾン・ド・ラ・サンテに送られた。 のん気な牢屋だ。一日ベッドの上に....
獄中記」より 著者:大杉栄
市ヶ谷の巻 前科割り 東京監獄の未決監に「前科割り」というあだ名の老看守がいる。 被告人どもは裁判所へ呼び出さ....
続獄中記」より 著者:大杉栄
の本職を言いかねたのか、それともほんの語呂合せのいたずらをやったのか。 また、未決監から裁判所へ喚び出される。その他にも僕はよく、余罪があって、既決監からも裁....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
く捧げて持って来た。課長は彼女がその湯呑を、いつもと同じに、硯箱《すずりばこ》と未決《みけつ》既決《きけつ》の書類|函《ばこ》との中間に置き終るまで、じっと見つ....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
服警官のため、その身投げ男の妻と見られて、捕縛されちまったの。そして、ブルートの未決監房へひいていかれるうちに、あの空襲警報に出遭ったのですわ」 アンは、息を....
不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
ど、どこまで話したのかも、第一忘れてしまった。二度目の分は、たしか乃公が刑務所の未決に繋がれてから話したように思うが、たしかそうだったね。 それについてだが、....
ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
なにしてでも彼の世話をしてもいいはずだという考えしか持っていなかったのです。彼は未決監にいる間、できるだけのわがままをしつづけました。 その間にOは捕えられた....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
年の冬にも、炉のほとりの夜話にその名がしばしば繰り返された。 足かけ四月ほども未決囚として繋がれていた二人の嫌疑者は、その年の暮れにいずれも証拠不十分で放免さ....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
佐伯氏は変わってはいなかった。脂肪質の赧ら顔は、昔ながらに健康そうであった。永い未決の生活などを、経て来た人とは見えなかった。 「ただ今奥様とお逢いして来ました....
拷問の話」より 著者:岡本綺堂
い。前にもいう通り、拷問を加えるということが已に係り役人の不面目であるのに、更に未決のうちに責め殺してしまったとあっては、いよいよ彼らの不名誉をかさねる道理であ....
女の決闘」より 著者:オイレンベルクヘルベルト
生活を忘れてしまったものらしい。 女房は市へ護送せられて予審に掛かった。そこで未決檻に入れられてから、女房は監獄長や、判事や、警察医や、僧侶に、繰り返して、切....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
ったが、警官隊と衝突、治安警察法違反と公務執行妨害罪で検束され、栃木の女囚監獄の未決に入れられた。この私の事件で裁判の弁護をやってくれたのが、若き日の片山哲、麻....
父の出郷」より 著者:葛西善蔵
従弟のT君はこの春突然やってきて二晩泊って行ったが、つい二三日前北海道のある市の未決監から封緘葉書のたよりをよこした。 ――その後は御無沙汰しておりました。七....