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「未知数〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

未知数の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高山の雪」より 著者:小島烏水
いのである。ちょうど十九世紀に著しく勃興した探検事業は、科学的研究心と合体して、未知数に向い、無人境に向った結果、山岳研究ということが、欧洲より米国に、また日本....
鎖工場」より 著者:大杉栄
械的定命論者だ。けれども俺の論理の中には、俺の機械的定命論の中には、大ぶいろんな未知数がはいっている。俺の理想の実現は、この未知数の判然しない間、必然ではない。....
地球盗難」より 著者:海野十三
きい答があるような気がする。それは一つの世界を誘導することになる。たとえば個々の未知数を解いてみたらば、これが悉く無理数であって、それでわれわれはその無理数の形....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ailroad |= Tunnel を逆に応用して、まず1を相手の心像とし、その未知数を2と3とで描破しようと企てたのでした。そこでまず、|そこにあるは薔薇なり....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
見うるようなまず最初の機会を失った。迫り来るものは、誠意のほども測りがたい全くの未知数であった。求めらるるものは幾世紀もかかって積み重ね積み重ねして来たこの国の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
分で読み、隣家の伊之助のところへも持って行って読ませた。多くの人にとって、異国は未知数であった。時局は容易ならぬ形勢に推し移って行きそうに見えて来た。 そこへ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
満州よりも、蝦夷の方を格別に望みおり申し候。」 異国はまだ多くのものにとっては未知数であった。長い鎖国の結果、世界のことはおろか、東洋最近の事情にすら疎かった....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
とにかく開校することが出来たのはまことに同慶に堪えない。しかし研成学院はまだ全く未知数に属し、成功か不成功か予想は許されないが、先生方の熱心と諸君の倦まざる努力....
大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
体の部分写生をしている。而もこれを綜合して永遠の謎の微笑の美しさをのこすや否やは未知数に属するが、かかる人体の部分的写生は昔に見ない所である。 桜餅ふくみえくぼ....
純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
システムの研究をこの中に入れた。また限界生産力説すなわち問題の所与としてではなく未知数と考えられた製造係数の決定理論をも、この編の中に加えた。 これらの変化の....
嘘の効用」より 著者:末弘厳太郎
究を怠りつつ、しかもみだりにこれを「或るもの」と仮定した点にある。すなわち本来「未知数」たるものの値を、十分実証的に究めずして軽々しくこれを「既知数」に置き換え....
私の文学」より 著者:織田作之助
力を感じている。私はまだ全く自分にあいそをつかしたわけではない。私は私にとっても未知数だ。私はまだ新人だ。いや、永久に新人でありたい。永久に小説以外のことしか考....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
を計算した。続いて発火坑の内部で、何|噸の石炭が焼失してしまったか、しかしこれは未知数だ。現場の検査にまたない限り、恐らく概算も掴めない。そこで事務員の一人が鎮....
鼻に基く殺人」より 著者:小酒井不木
も新聞を見るまではさすがに案じられた。電球一ぱいの火薬がどれほどの威力を持つかは未知数であった。ところがあくる日の新聞は自分の予想を裏切られなかった。そうして過....
四つの都」より 著者:織田作之助
選ぶことは冒険に過ぎやしないだろうか、それに私のシナリオ・ライタとしての適不適も未知数(かつて溝口氏のために「わが町」のストーリを書いたことはあるにせよ)である....